【ふくしま駅伝】新たなモデルケースに(9月29日)

©株式会社福島民報社

 古里の誇りを胸にたすきをつなぐ第三十二回市町村対抗県縦断駅伝競走大会(ふくしま駅伝)は十一月十五日の号砲まで二カ月を切った。市町村の担当者が集う代表者会議が二十八日に行われ、出場に際しての変更点などを確認した。コロナ禍の中で、これまでにないスタイルでの運営になる。感染防止対策や、選手の安全確保が最優先は言うまでもない。今年を新たなスタートラインとして、全国に誇れる駅伝大会のモデルになることを願う。

 福島陸協はこれまでのコースを16区間から9区間に減らし、出発地点を白河市から郡山市に変更した。スタートからゴールまでの距離が昨年と比べて半分程度の50.2キロとなり、宿泊などに伴う密を回避する。

 日本陸連が定めた新型コロナウイルス感染防止のガイダンス(基本方針)に準じ万全の体制を整える。各中継所では関係者以外の立ち入りを規制し、大会前の体調を記したチェックシートの提出を義務化する。万一、異変を感じれば、すぐに報告するよう求めている。三密を防ぐために、通常の開会式と閉会式を行わず、沿道に駆け付けての声援も自粛を呼び掛ける。

 県境をまたぐとして、県外在住の「ふるさと選手」は参加できない。高校や大学の最終学年の生徒や学生にとっては今大会が集大成であり、苦渋の決断だった。連続出場が断たれる選手もおり、無念さは察するに余りある。ふるさと選手はチームの柱だ。ある監督は「これまでの郷土愛に感謝したい。新たな目標に向けて努力を続けてほしい」とエールを送る。

 各市町村は合同練習などを行う際、マスク着用や小まめな手洗いを実践している。大半のチームは中学生や高校生が主力だけに、車での移動は引率が必要になる。担当者は、安全対策に細心の注意を払いながら例年以上に神経を使うという。

 ある高校の陸上指導者は、身の回りに存在する新型コロナへの意識を高めるよう指導している。生徒に配布する練習メニューに、新聞や雑誌などの切り抜きを添える。感染者数、クラスター(感染者集団)の発生状況、予防策など身近な情報を提供する。部活動だけでなく家庭での浸透も促す。「withコロナ」と共に、生徒の意識が少しずつ変わり始めたと感じている。

 テレビやラジオの放送もある。参加する全チームが県庁前にゴールできるよう、県民には「新しい応援様式」を取り入れてランナーを見守ってほしい。(小林 和仁)