コロナ禍で「おうち焼鳥」がここまで進化!?高級焼鳥店のミールキット+専用焼台を試してみた!

新型コロナウイルスの影響で、外食、特にお酒を飲みに行く機会がかなり制限されています。酒飲みにとって定番のオツマミ「焼鳥」は、家庭のガスコンロではなかなか再現できず、今やちょっと贅沢な料理にもなっています。

こうした背景からか、各家電メーカーから販売されている「家庭用焼鳥コンロ」がヒットしています。さらに本格焼き鳥を目指す人向きに、「焼き台」「鶏肉」「調味料」をコンプリートした焼鳥ミールキット+専用焼台が販売されました。

高級焼鳥店「鳥幸」によるもので、「銘柄鶏」「煙を極力発生させない焼台」などによって炭火の焼鳥を限りなく再現できるとのこと。さっそく取り寄せ、どれほど美味しいのかをレポートします。


スーパーでは入手できない希少部位を楽しめる!

今回、焼鳥ミールキット+専用焼台をリリースした「鳥幸」は、首都圏やニューヨークで高級焼鳥を展開するチェーンです。4月の緊急事態宣言以降、飲食店の休業や時短営業が相次いだ影響で、飲食店だけでなく、銘柄鶏の生産者も大打撃を受けました。

特に「鳥幸」が採用している銘柄鶏、希少部位はスーパーでは販売されないものが大半で、生産者は売り先を失ったそうです。この生産者および銘柄鶏を守るため「鳥幸」が旗を振り、今回の焼鳥ミールキット+専用焼台を企画。主にオンラインでの販売を始めたというのが経緯のようです。

さっそくオンラインでオーダーすると、数日後、焼鳥ミールキット+専用焼台がクール便で届きました。オーダー時は気づかなかったことですが、この一式、届いてみると結構な大きさ。すぐに焼かない場合は冷凍保存が必要なので、ご自宅の冷凍庫がパンパンになっている方は、保存用に開けておく必要がありそうです。

中からモノトーンの焼鳥ミールキット(上)、おシャレな段ボールに入れられた専用焼台が出てきました

焼鳥ミールキット+専用焼台を見て、焼く前からテンションが上がる!

まず、焼鳥ミールキットには、銘柄鶏(今回は秋田県の比内地鶏)のうち希少部位がコンプリートされた5本セットが2つ、さらに様々な調味料と、炭の香りを付けた特製チャコールオイルなどが入っています。説明書もあり、各部位ごとに違う美味しい焼き方、銘柄鶏の解説に加え、「鳥幸」の割引クーポンまで付録されていました。

そして専用焼台の箱を開けてみます。小ぶりのグリルでありながら電気式ヒーターを搭載した本格派で、フロントには「鳥幸」のロゴが誇らしげに記載されています。美味しい焼鳥を食べることが目的ですが、焼く楽しみも同時に味わえる画期的なアイテムです。これらのセットを前にすれば、おのずと焼く前からテンションが上がりますね。これだけでもお酒が進んでしまいそうです。

これが銘柄鶏の秋田県産比内地鶏。もも肉、砂肝、むね、ハラミ、手羽中の5本セットが2つ入っていた

料理をしない人、調理器具のない人でもすぐ焼ける超簡単設計

それでは、さっそく焼いていきます。専用焼台の使い方は超簡単で、下皿に水を張り、コンセントを挿し、本体の電源をオンにするだけ。これならいっさい料理をしない人、調理器具を持っていない人でもできるはず。

ただし、鶏肉を置く際、部位によって焼き方がそれぞれ微妙に異なります。ある部位は、チャコールオイルを塗った後に焼き始めるのに対し、別の部位は、オイルを塗らないほうがよいなど、部位ごとの焼き方は説明書に細かく記載されています。せっかくの希少部位ですし、説明書にしたがって慎重に焼いて、最も美味しく頂きます。

専用焼台の煙の少なさに感動

専用焼台は「できるだけ煙が出ない構造」というフレコミでしたが、「焼鳥」のイメージはやはり焼鳥屋さんのあのモクモク。「『できるだけ煙が出ない構造』といくら言っても、全く出ないわけはなかろう!」と、室内ではなく筆者の自宅玄関で焼き始めました。近所から白い目で見られることを妻は嫌がっていましたが、仕方がありません。美味しい焼鳥を食べるためですから。

しかし、モクモクの心配は杞憂に終わりました。この専用焼台、本当に煙が微かにしか出ません。鳥の脂がヒーターにこぼれた際、「ジューッ」と美味しそうな音を立てますが、それでも煙が出ません。これなら最初から室内のダイニングテーブルの上で焼くべきだったと後悔しました。

たった数分でこの通り。確実に火が通っているのに煙が出ないのがすごい。この専用焼台、かなり優れた商品です

数々のこだわりの調味料に加え、ガラス筒や竹串まで同梱されていた!

焼き始めてからわずか数分。焼鳥ミールキットに入っていた全10本が焼き上がりました。調味料と合わせてさっそくテーブルに並べてみます。

調味料は、京都祇園の黒七味、香りを活かした超粗挽き黒胡椒、ゆず皮をたっぷり使った柚子胡椒、桜の香りが強い特性薫製塩、イタリア産トリュフ塩、オーストラリアの海水塩使用の焼塩、タレ焼き用「鳥幸」特性タレ……。これでもか! というこだわりの調味料のオンパレード。これらを使って、さっそくいただきます!

と思ったのですが、さらにここで気になるものを箱の中から発見。謎のガラスの筒、竹串なのですが、何に使うものなのでしょうか。説明書をよく見ると、ガラスの筒は「食べ終わった串を挿すためのもの」で、さらに竹串は「野菜などを焼くためのもの」でした。さすが「鳥幸」。高級店らしく、こういった配慮も怠りませんね。感動!

焼き上がった比内鶏と調味料の数々

普段の日常では味わえない極上の焼鳥

改めて、焼鳥をいただきます。まず、最もサッパリしているむねは、コクのあるトリュフ塩+柚子胡椒で。火を通すとパサつきがちなむねですが、ほのか弾力が残り噛むとサッパリとした肉汁が口の中に広がります。そして、トリュフ塩と柚子胡椒がこのサッパリ感にアクセントを加えてくれ、これがもう……本当に美味しい!

そして、砂肝。これは特製薫製塩と黒七味でいただきましたが、むねに比べて歯応えがありコクのある味わい。後味も良く、お酒がグングン進みます。さらに、ハラミ。オーストラリアの焼塩と黒胡椒でいただきましたが、ひと噛みでジューシーな肉汁が溢れ出し、焼塩+黒胡椒のパンチと相まって、もはや肉汁だけでも十分おかずになりそうな味わいでした。

次に、手羽中。これは男らしく焼塩オンリーでいただきましたが、最も比内鶏の贅沢さを味わえました。香ばしさの中にほのか甘み、コクがあり、確かに普段はなかなか食べられない味です。

最後にタレ焼きのももをいただきます。タレは見た目よりもサッパリしており全くくどくない。比内鶏本来の味を楽しめる設計されているようで、タレの後に塩を食べても良い感じ。こちらもお酒がグングン進んでしまう1串でした。

いずれも、普段の生活ではなかなか味わうことができない貴重な焼鳥ばかりでした。これなら再びオーダーするのも十分アリだと思いました。

比内鶏特有のジューシーな味わいを、どの部位からも感じられる焼鳥ミールキット

「鳥幸」の焼鳥ミールキットは、比内地鶏以外もたくさん!

「家庭での焼鳥がここまで進化したか」と驚くほどの「鳥幸」の焼鳥ミールキット(比内地鶏)+専用焼台ですが、気になる値段は期間限定で6732円(税抜き)。もちろん、専用焼台は一度購入すれば基本的には何度でも使いまわせるので、次回以降は焼鳥ミールキットのみの購入で楽しめます。

また、「鳥幸」では、6ヶ月限定で定額を支払えば毎月様々な焼鳥ミールキットが届くというサブスクも始まったようです。こちらは単発購入よりさらに20%ほど安く利用できます。今回の比内地鶏以外にも各地の銘柄鶏が用意されており、各地の焼鳥を自宅で試してみるのも良さそうです。

正直、「お家焼鳥」がここまで本格的に楽しめるのは意外で、これならわざわざ外食しなくても十分ではないかと思ってしまうほどでした。コロナ禍の収束が見えない今、このような本格料理キットがオンラインで気軽に購入できるのは、自宅で過ごす時間を充実させます。このような商品がもっと増えると良いなと思いました。

<文:松田義人>

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