本明川流域治水協が発足 行政、民間含めて防災対策検討

 諫早市の本明川流域全体の治水対策を検討する「本明川水系流域治水協議会」が今月、発足した。現在、進めている河川整備のほか、既存施設の活用などを具体的に明記した「流域治水プロジェクト」を本年度末までに策定する方針。
 全国で頻発する豪雨災害を受け、国土交通省は7月、河川管理者によるハード対策から、河川管理者以外の行政や民間も含めて防災対策に取り組む流域治水に転換。全国109の1級河川で同プロジェクトを検討している。
 本明川は本県唯一の1級河川。五家原岳を源流に諫早市中心部を経て、国営諫早湾干拓事業の北部排水門までの延長約28キロ。1957年の諫早大水害後、河川拡幅などの整備が進められている。
 同協議会は国、県、同市、長崎地方気象台で構成。今月初め、初会合を開く予定だったが、台風接近で中止となり、今月10日付で書面開催した。進行中の本明川ダム建設事業や半造川の堤防整備などのハード対策をはじめ、本明川水系に通じる小ケ倉ダムの洪水調節機能の強化、防災教育の促進など流域全体の対策を取りまとめる予定。
 国交省長崎河川国道事務所によると、書面開催では▽防災気象情報の普及、啓発などのソフト対策▽県管理河川の対象追加▽地域との意見交換-などの意見が出された。小ケ倉ダムは、水害に備えて事前放流を可能とする治水協定が5月末までに締結されている。

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