野口宇宙飛行士が搭乗するクルー・ドラゴン、日本時間10月31日に打ち上げ予定

「クルー1」ミッションの宇宙飛行士たち。左から:シャノン・ウォーカー飛行士、ビクター・グローバー飛行士、マイケル・ホプキンス飛行士、野口聡一飛行士(Credit: SpaceX)

NASAは現地時間9月28日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の野口聡一宇宙飛行士が搭乗するスペースXの新型有人宇宙船「クルー・ドラゴン」の運用初号機による「クルー1(Crew-1)」ミッションの打ち上げが、日本時間10月31日15時40分に予定されていることを明らかにしました。

クルー1は日本時間8月3日に帰還した有人試験飛行ミッション「デモ2(Demo-2)」に次ぐミッションで、野口飛行士をはじめNASAのMichael Hopkins(マイケル・ホプキンス)飛行士、Victor Glover(ビクター・グローバー)飛行士、Shannon Walker(シャノン・ウォーカー)飛行士ら4名の宇宙飛行士が搭乗します。国際宇宙ステーション(ISS)に向かった4名は、約6か月間に渡り科学実験などのタスクに従事することになります。

かつてNASAが運用していたスペースシャトルには、アメリカだけでなくさまざまな国籍の宇宙飛行士が搭乗しました。2011年のスペースシャトル運用終了後はアメリカの宇宙飛行士が宇宙へ向かうにもロシアの宇宙船「ソユーズ」に頼る状況が続いていましたが、クルー・ドラゴン初の運用ミッションであるクルー1には日本の野口飛行士が乗り込むことから、NASAは「民間宇宙企業が所有・運用するアメリカから飛び立つ宇宙船に多国籍のクルーが乗り込むのはこれが初めて」とアピールしています。

なお、クルー1の次に予定されている「クルー2(Crew-2)」ミッション(2021年春に打ち上げ予定)には、JAXAの星出彰彦宇宙飛行士が搭乗することがすでに発表されています。また、ボーイングが開発中の新型有人宇宙船「スターライナー」も2021年12月に最初の運用ミッションが予定されており、今後は日本人宇宙飛行士がスペースXやボーイングの宇宙船でISSに向かう機会が増えることになりそうです。

日本時間2020年5月31日、「デモ2」ミッションにおけるクルー・ドラゴン打ち上げの瞬間(Credit: NASA/Joel Kowsky)

Image Credit: SpaceX
Source: NASA
文/松村武宏

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