お茶の間に浸透中の3人組バンド、ヤバイTシャツ屋さんの4thフルアルバム「You need the Tank‒top」が完成。逆境を乗り越え、聴き手にパワーをもたらす彼らの現在の心境を聞いた。
──「You need the Tank‒top」というアルバムタイトルの“need”に込めた思いを教えてください。
こやま 「僕らは、3月に予定していた志摩スペイン村でのワンマンが中止になったばかりか、ライブ自体ができない状況になってしまい、そんな状況下で音楽がなくても別に大丈夫と思われてしまったらイヤやなって。いやいや、『パンクロック必要でしょ？ “Tank‒top”必要でしょ？ ヤバイTシャツ屋さん必要でしょ？』って無理矢理押しつけるような気持ちでタイトルをつけました。そこまでして押しつけたい、というか、今押しつけなアカンなって」
── 作品制作は、焦りや不安を抱えながらの作業だったと。
もりもと 「僕らは、音源はもちろんのこと、ライブを見てもらって、その口コミでお客さんを増やしていこうと、ライブバンドとしてここまで来たので、将来に対する不安は大いにあります。ただ、大変なのは自分たちだけじゃないって、開き直って過ごせるようになったところもあります。3人でスタジオに入っての練習はほぼしてなかったんですけど、浮かない日々が続いていたなりに、レコーディングは楽しく、充実していました」
── 今回のアルバムは、荒唐無稽なユーモアのセンスとメッセージ性のバランスが絶妙ですね。
こやま 「そこら辺のバランス感は意識してやらなアカンなとは思いますし、コロナ禍のこういう状況だからできたのが、1曲目の『Give me the Tank‒top』と8曲目の『NO MONEY DANCE』の2曲です。自分たちとお客さんを元気づける曲として書いた『Give me～』に対して、『NO MONEY～』はアホになってしまったというか、これはホントに収入がなくなってしまったエンタメ業界の人間のカラ元気というか、敢えて笑い飛ばそうとした曲ですね」
── ラスト曲「寿命で死ぬまで」には〈音楽の力はまじですごいから〉という一節がありますが、音楽の力を感じた瞬間は？
しばた 「自粛期間、私はヤバTの作品をずっと聴いていたんですけど、その時に過去のライブの記憶がばーっとよみがえってきたんです。そういう思い出とひも付いているところに音楽の力を感じます。そして、このアルバムはライブでやってない曲を多く収録しているんですけど、ライブでの演奏を想像して楽しくなったりもして。そういう思い出や湧き上がってくる感情によって聴こえ方が変わってくるんですよね。人の曲ではよくあることなんですけど、自分たちの曲で聴こえ方が変わるのはまれなことというか、非常時にそういうことが起きて、音楽ってすごいんだって、あらためて思いました」
【OUR『必要！』MUSIC】
こやま 「所属事務所の先輩でもあるバンド、10-FEETですね。彼らに憧れてバンドを始めたので、まさにヤバTに必要だった音楽だったなと思います」
もりもと 「僕はルーツであるバンド、ガンズ・アンド・ローゼズですね。常に彼らのような悪ガキ感を持っていたいなって」
しばた 「私はつんく♂︎さんの音楽です。私と同じくコテコテの関西弁をしゃべって、振り幅が大きい曲を作られていて、めちゃくちゃ影響を受けています」
【プロフィール】
ヤバイTシャツ屋さん
2013年結成。こやまたくや（Gt／Vo）、しばたありぼぼ（Ba／Vo）、もりもりもと（Dr／Cho）からなる3ピースバンド。10月3日からは全国ツアー「“You need the Tank‒top”TOUR2020-2021」が開催予定。
こやまたくや
1992年10月23日、京都生まれ。天秤座。B型。
しばたありぼぼ
1994年3月31日、大阪生まれ。牡羊座。A型。
もりもりもと
1993年10月19日、静岡生まれ。天秤座。A型。
【リリース情報】
「You need the Tank‒top」
9月30日発売 ￥2,838 ほか
ユニバーサルシグマ
「癒着☆NIGHT」や「泡 Our Music」「はたちのうた」といった強力タイアップ曲を収録した4thフルアルバム。コロナ禍の逆境をものともしないキャッチーなバンドサウンドとユーモアのセンスが爽快に突き抜ける。
【プレゼント】
サイン入り生写真を1名様にプレゼント！
応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/news/present/
（応募期間：2020年9月30日正午～10月7日午前11:59）
ハガキでの応募方法は「TVガイド」10月9日号（P98）をご覧ください。
「TVガイド」の購入はコチラ→https://honto.jp/cp/netstore/recent/tokyonews-book/01.html
取材・文／小野田雄 撮影／鈴木大喜
