カネミ油症検診 コロナ対策で未認定患者に限定 あすから長崎、五島

 カネミ油症被害者の健康状態を調べる県の油症検診が10月1日から、長崎市と五島市の計4カ所で順次実施される。新型コロナウイルス対策で会場の3密を防ぐため、新たに認定を求める人だけが対象。検診項目も、認定診査で重視される原因物質ダイオキシン類の血中濃度を測るための採血など、一部に限る。
 油症検診は全国油症治療研究班(事務局・九州大)の委託を受けた県が毎年実施。例年は認定患者も対象で、採血の他、内科や皮膚科、歯科などの診察、胸部エックス線検査、尿や骨密度などを調べている。未認定患者の認定可否は、医師でつくる県油症対策委員会が検査結果を総合的に判断し、最終的に知事が本人へ通知する。
 今回の検診項目は、採血と問診、血圧測定のみ。検診を受けたことがある未認定患者については、過去の検診結果も加味して認定可否を判断するという。県生活衛生課は「通常の検診態勢だと『密』が避けられない。そのため規模を縮小して未認定患者に認定診査のチャンスを確保できるようにした」としている。
 日時と場所は、▽1日午後1時~3時半、県西彼保健所(長崎市滑石1丁目)▽8日午前9時~正午、五島市玉之浦診療所(同市玉之浦町)▽同日午後2時半~3時半、同市福江総合福祉保健センター(同市三尾野1丁目)▽9日午前9時~正午、同市奈留保健センター(同市奈留町)。問い合わせは同課(電095.895.2362)。

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