「原爆資料館訪問を」 被爆者5団体 菅首相に要望書

要望書について会見する被爆者5団体の代表ら=長崎市役所

 長崎の被爆者5団体は29日、核兵器禁止条約の署名・批准などに対する見解を示すよう菅義偉首相に求めた要望書を首相官邸宛てに送付した。要望書では広島の「黒い雨」訴訟の控訴取り下げ、菅首相の長崎原爆資料館訪問も求めた。
 5団体は毎年、8月9日の「長崎原爆の日」の平和祈念式典に合わせ長崎を訪問する首相に、被爆地域拡大などを求める要望書を提出している。今年も安倍晋三氏に提出したが、間もなく退任したため、改めて新首相に要望書を送ることにした。
 5団体の代表ら5人は29日、長崎市役所で記者会見。県被爆者手帳友の会の朝長万左男会長は、来年1月開催で調整が進む核拡散防止条約(NPT)再検討会議や、発効に必要な批准国・地域が残り5(28日現在)となった核禁条約に触れ「新内閣が発足したのにNPTについて何も検討しない、条約について閣議も開かないというのは考えられない。来年の(長崎)原爆の日には資料館を訪れ、実際に長崎の惨状を見てほしい」と訴えた。

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