森きららのツシマヤマネコ「つしまる」死ぬ 県内初の繁殖に貢献

25日に死亡が確認されたつしまる(森きらら提供)

 国天然記念物ツシマヤマネコの飼育下繁殖事業に取り組む長崎県佐世保市船越町の九十九島動植物園(森きらら、岩岡千香子園長)は29日、雄のツシマヤマネコ「つしまる」(15歳)が25日に死んだと発表した。同園が2014年に県内初の繁殖に成功した際の父猫だった。
 同園によると、死因は調査中。25日午後5時ごろに死亡が確認された。
 つしまるには18年ごろから慢性腎不全の傾向があった。今年の8月中旬ごろからは餌の食べ残しが見られ始め、9月初旬に精密検査。慢性腎不全の悪化などが疑われたため、投薬などの治療を行っていた。
 つしまるは福岡市動物園生まれ。13年から森きららで飼育していた。14年の繁殖では2匹の子猫の出産につなげた。
 同園でツシマヤマネコが死んだのは17年以来。飼育数は5頭(雄2頭、雌3頭)になった。同園は「当園に貢献してくれた個体だった。これまで以上にしっかりと健康管理を行いたい」とした。

 


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