小池栄子、強い女性役から刺激 39歳で決意新た「これからも険しい道を」

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●人生への覚悟と嘘をつかないポリシー

飾らないキャラクターと高いトーク力で男女問わず支持されている小池栄子。数々のドラマや映画、舞台に出演し、女優として大活躍だ。

最近では、映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』のパワフルなヒロイン役や、日本テレビ系ドラマ『美食探偵 明智五郎』で演じた殺人鬼へと変貌する主婦役が注目を集めたが、ディズニー実写版『ムーラン』では魔女・シェンニャンの吹き替えに挑戦。強い女性の役が多い印象だが、自身も強い女性役に面白さを感じており、役から影響を受けることも多いそう。

『ムーラン』では、演じたシェンニャンや主人公のムーランを見て、「自分の考えが老けた」と気づくことができたと告白。「年齢とともにできるものだけ選びがちだけど、これからも険しい道を進んでいこうと改めて感じた」と、自分の人生を見つめ直すことができたという。

家族を守るため、愛する父の身代わりに男性と偽って兵士となり、厳しい訓練と努力の中、“本当の自分”と“偽りの自分”の間で葛藤する少女・ムーランの姿を描く本作。小池が演じた魔女・シェンニャンは、魔力を持つがゆえに人々から疎んじられ、孤独を感じ、自分の居場所を求めて敵に加担する実写版オリジナルキャラクターだ。

シェンニャン役で苦労したのは、“人間っぽさ”をなくすことだったいう。「『人間っぽいな』ってよく指摘されたんです。どうやったらその人間っぽさをなくせるのか考え、私と監督の間で行き着いたのは、感情があまり見えないように、抑揚なくしゃべるということ。そうすると、つかみどころがない感じに聞こえ、人間っぽさがなくせると考えました」

ムーランに対して自分の過去を語るシーンがあるが、そこでも「あんまり感情が出ないように」と言われたそうで、「どうしても芝居していると、どんどん芝居したくなってきて、感情を入れたくなるので、そこをセーブするのが難しかったです」と振り返った。

人間と魔女という大きな違いはあるが、自身とシェンニャンの共通点も感じたという。「自分の生き方を自分で選択して切り開いていく覚悟とたくましさは自分も持っている」と言い、「結婚しても自分の人生だから自分で決めていきたい。もちろん家族は大事ですけど、人生の選択を誰かのせいにするような生き方はしたくない。全部自分で尻ぬぐいできる生き方をしていきたいと思っています」と語った。

シェンニャンは魔力を持つゆえに人々に受け入れてもらえず苦しんできたが、なかなか受け入れられず悩んだ経験はあるのか尋ねると、「自分が表現したいことをすべて受け入れてもらえるわけではなく、見てくださる方が求めているものとのギャップを感じます」と告白。「意識しなければいいとわかっていながらも、やっぱり人の評価は気になるので、常にそことの戦い。新しいことを追い求めていく限り、それはなくならないと思います」と話した。

自分と他人の評価の違いは日常的に感じるそうで、「自分があまりいいと思ってなかったものを、周りの人たちがすごく評価してくれたり、私自身は『もうこりごり』と思っているのに、『あの続編が見たい』と言われたり。バラエティでも、自分としてはよかったと思ったのに、家族が引いていたり(笑)」と説明。「自分が本当に言いたいことと、小池栄子というタレントからもらいたいものは違うんだなと思います」と語った。

意外にも「ぶっちゃけすぎないでほしい」という意見もあるようで、人によって求めているものが違うと感じているという小池。「特に番宣で出演するときは、なんとなくみなさんの頭の中にはお芝居の役として私が動いているのに、宣伝で出たバラエティでぶっちゃけられると冷めるわ、みたいな。そのバランスが難しい」と葛藤を明かし、「その瞬間は思わないんですけど、時間差で押し寄せてくるんです。そっか、マイナスだったかって。そういう反省の繰り返しです」と話した。

それでも、「自分の言葉で出る番組は、なるべくみなさんに嘘はつきたくないというスタンスをずっと貫き通している。1枚フィルターをかけてしまうと自分が気持ち悪くなってしまうから、そこは継続していきたい」と、これからも“嘘をつかない”スタンスを貫いていく。

●「考えが老けた」“攻めの姿勢”を改めて意識

シェンニャンもそうだが、強い女性役がぴったりハマる小池。自身も「面白い」とやりがいを感じているという。また、強い女性役から影響を受けるそうで、「意識改革になります。説得力を持たせるために自分自身が役に近づこうとしますし、かっこいい女性の役は好きなので日頃もそういう意識で動きたいと思っています」と明かす。

自分が演じた役以外から影響を受けることも。本作では演じたシェンニャンだけでなく、主人公のムーランに刺激され、「考えが老けた」と気づくことができたという。

「年齢とともに、諦めるもの、できないものの意識が増えてきて、苦手なものは避けて、できるものだけ選びがちになっていく。でも、ムーランの恐れを知らない年齢の子の強さ、目の前には可能性と希望が広がっているというキラキラした強さを見て、やはり今までと同じように険しい道を進んでいこうと、今回のお仕事で改めて感じました」と述べ、「もうすぐ40歳になりますが、39歳で気づけてよかった。その道に片足ツッコんだら抜けられないと思うので」と笑った。

女優としてさまざまな役に挑戦、バラエティ番組でも攻めのトークで盛り上げている姿が印象的な小池。キャリアを重ねても守りに入らず、40歳を目の前にした今、これからも険しい道を進んでいこうと決意を新たに。

「インタビューで話すときは自分の理想も加わっているから強気で話しますが、ちょっと時間が経つと、果たしてあのとき語ったことが私はできているかって。そういう意味でもインタビューも勉強になるんです。言ってしまった手前、やらなきゃって思うんです」。

インタビューも勉強に捉え、自分自身を高めていく。その謙虚さと向上心に小池の人間力を感じ、ドラマや映画、バラエティに引っ張りだこな理由もわかった気がした。

これからも挑戦を続けていくという小池だが、「自分のペースで進んでいきたい」という考えを持つ。「デビューしたときに、信頼していた先輩から『君は大きく飛躍するというより、コツコツ積み重ねてあるときパッと花を咲かせるタイプだと思う』と言われ、コツコツ型というのは今も変わってないと感じているので、これからも変わらずコツコツやっていきたいと思います」と語った。

そして、「目標はいつも考えていない。流れに身を任せてやっていくというのが目標で、これからも決めずにやっていきたい」と話し、「ただ、最近、犬のしつけができなくて困っています。仕事では華やかな場所でいろいろ発言させてもらっていますが、日常のそういうところで悩むわけです。なので、身近なところをちゃんとやっていくというのが今の私の目標です」と、目の前の目標を明かしてくれた。

最後に、自身の生き方にも影響を与えた『ムーラン』について、「スカッとすると思います。可愛さ、たくましさ、家族との関係、仲間との関係……全部が含まれている。そして、本来の自分に自信を持って、誇りを持って、プライドを持って生きていくという、大事なものをシンプルに伝えていて、自分を見つめ直すいいきっかけになる映画だと思います」と魅力を伝えた。

『ムーラン』ディズニープラス 会員、プレミアアクセスで公開中(追加支払いが必要)。

■小池栄子

1980年11月20日生まれ、東京都出身。1998年にドラマデビュー。2008年には主演映画『接吻』で毎日映画コンクール女優主演賞等、2011年『八日目の蝉』でキネマ旬報ベスト・テン助演女優賞等数多くの賞を受賞、2016年には舞台『グッドバイ』で読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞した。女優として数多くのドラマ、映画、舞台に出演している。