伝統のホイール「オルデン」を進化させた40周年記念モデル「オルデンCV」が誕生|スーパースター【Vol.1】

マシニング加工&ディスク深度を高めたアニバーサリーホイール

2020年がホイールブランドのスーパースターにとって創立40周年というひとつの区切り、また本来ならオリンピックイヤー(実際にはコロナ禍で延期されてしまったが…)でもあることを記念し、「新しいことに挑戦していこう!」という活動の一環として行なったアニバーサリーモデルの第2弾として投入されたのが、ここに紹介する「オルデンCV」だ。

オルデンCV

レオンハルトブランドから登場した「オルデン」は2004年にデビューした現在も販売中のモデルだ。そのデザインをオマージュしたモデル「オルデン改」を2013年の東京オートサロンで参考出品し、時代を先取りしたコンケーブを効かせた意欲作としてその存在を世に問うたが、時代は今ほどコンケーブ全盛ではなく市販には至らなかった。しかし、2020年は記念すべき年。ぜひこのタイミングでこのプロジェクトを復活させよう、となったのだ。

オルデンCV ブラックポリッシュ, オルデンCV シルバーポリッシュ, オルデンCV ピアノブラックマシニング
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ヨーロッパでも通用する流行に左右されないブランド「レオンハルト」

オルデンを履くメルセデス・ベンツCクラス

スーパースターにおける「レオンハルト・オルデン」とは、いったいどんな存在だったのか…

「レオンハルトはヨーロッパでも通用する、流行に左右されないホイールとして生み出しました。ディスクがオーソドックスなデザインの「リッター」はメルセデスをターゲットに、「ビューゲル」はBMWをターゲットに作りました。当時から、ベンツといえばAMGやブラバス、BMWならアルピナやシュニッツァーといったオキマリのチューナーズブランドがありましたが、ヨーロッパでこのレオンハルトのオーダーが急激に増えました。これで定番の老舗ブランドでなくても受け入れられる、ということに自信を持てましたね」。とホイールを企画する神山さん。

そんな時代背景の中、レオンハルトの「オルデン」は、リッター、ビューゲル、クロースター、ランツェに続くレオンハルトの5作目として登場する。オルデンがデビューした2004年頃は、まさにシーマやセルシオ、マジェスタといったVIPセダン全盛の頃。そのVIPカーに必要なファクターとして敢えてリバースリムではなく、ノーマルリムをオルデンに採用。海外よりも日本国内で広く支持された初めてのモデルだったという。「VIPカー=ディッシュデザイン」という図式があり、さらにディッシュデザインなのにスポークの中にスリットが入ることでシャープさも演出したことも人気を博した理由だろう。

ディスク側面を薄く見せるデザイン処理が施されている。写真はオルデンCV

細かなこだわりとして、正面からホイールを見た時に、ディスクデザインの側面の面積が少なくなるようにパーティングラインにこだわったのだという。この“パーティングライン”とは“ホイールの金型の上型と下型のつなぎ目”を意味する製造上の用語。通常は強度を考えて極力ディスクの裏側に持ってくるのが業界のセオリー。それをデザイン上、見えやすい部分につなぎ目を持って来ることはクオリティを保つのに相当手間が掛かるのだが、スーパースターは敢えてその側面の間にラインを設定。手間よりも真正面から見た時のシャープなシルエットにこだわった。

正面から見た時にエラが大きく、太く見えるとホイールのデザインに軽快さがなくなる。それはある程度仕方のないこととされていたのだが、このオルデンは敢えてそのパーティングラインを真ん中に持ってくることでディッシュデザインなのにシャープな印象を生み出したというわけだ。

伝統のデザインがコンケーブで進化したオルデンCV

そして今回登場するこの最新作の「オルデンCV」。これはスーパースターの創立40周年の記念すべきアニバーサリーモデルであると同時に、コンケーブを求める時代にやっと追いついたこと、技術的にもオルデンCVに深いコンケーブを導入できるようになったことが背景にある。

スーパースターが長年作り続けている「オルデン」に対し、このアニバーサリーモデル「オルデンCV」は、知らない人にはほとんど同じに見えるかもしれない。ここで具体的なそのこだわりの違いをお伝えしたい。

最大の特徴はオルデンに対してディスクセンター部を“12mm”深く追い込んだコンケーブ感が増したルックスだ。さらにセンターに入るスリットの幅を太く、深く刻み込んだことだろう。これによりコンケーブ感がグッと増した新しい表情を生み出すことに成功している。

オルデンCV シルバーポリッシュ

ただし、コンケーブを深く取ることで、「ローディスク」のハブ高が32mmのオルデンが、オルデンCVになると20mmしか取れないことになる。つまり、ハブ高を確保するため「スタンダードディスク」を使用することでリムの深さが浅くなってしまうという現象が起きるのだ。これを解消する手法として、フロントにハブクリアランスに余裕がある「オルデン」を、リヤにコンケーブの深さで表情に抑揚を生み出した「オルデンCV」を、という前後に新旧オルデンを使用した履き方をスーパースターでは新しく提案している。

ピアノブラックマシニングはオルデンCVの専用色

新旧のオルデンを前後に組み合わせることで、リヤにコンケーブの効いたモデルが履けるため、より立体的な足元を愛車に展開できるというわけだ。ディスクとボディとの一体感とリム深度のバランスの両立が可能になるこの履きこなし、ぜひとも検討してほしい。

スタンス系からアルファード・ヴェルファイアオーナーまでカッコよく履ける!

スポーツモデルのスタンス系メイクにも似合うオルデンCV

「オルデンCV」は10月に発売を開始。サーキットではなく、スタンス系などヴィジュアルを優先した“スポーツ志向”、さらに海外の空気感が好きな“北米志向”の人、また高級Lクラスミニバンのアルファード・ヴェルファイアオーナーなどに特にオススメしたいと思う。

ちなみに、従来モデル・オルデンはカラーバリエーションが5色。新作「オルデンCV」は3色を展開。今回設定されている艶やかなブラックとマシニング模様のコントラストが楽しめる“ピアノブラックマシニング”はオルデンCVの専用カラーだ。

名作ぞろいのスーパースターが放つ人気沸騰確実な新作ホイール、オルデンCV

アルファードにオルデンCV。王道のマッチングだ

スーパースターの物作りは新製品を続々と出し、どれかがヒットしたらラッキー…といった考え方ではない。買ってくれた人のことを考えて、最低5年は販売し続けたいと考えているという。これはメーカーとして海外ユーザーに支持されている部分でもある。

無駄なものを極力排除して最小限の面構成で生み出されるレオンハルトのホイール群は、オルデン、ビューゲル、ゲミュートに代表されるモデルを第1世代とするならば、天面の面積を減らしたファッショナブルなモデルのラーゼン(絶版)、フリーデンに代表されるのが第2世代。引き算の美学で作ったゲミュートに代表されるモデルが第3世代。そして立体的な凹凸感を大切にした最新作「アングリフ」、「NX20M」に代表されるモデルがスーパースターにとっての第4世代と、その伝統は連綿と続く。

海外の熱烈なファンはそのあたりをよく熟知していて、スーパースターの作るホイールは、イコール日本の美学「シンプル(引き算)」でもあるのだという。しかもその歴史やバックボーンを非常に大切にするのだと。

40周年というメモリアルイヤーに生み出されたこの「オルデンCV」。従来モデルのオルデンと合わせて履くなど、アレンジしながらさらに人気が沸騰することになるだろう。

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