◆署長ら130人自宅待機
新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)が起きた神奈川県警高津署(川崎市高津区)が対応に追われている。全署員の半数以上が自宅待機を余儀なくされる中、県警本部からの応援も受けながら、優先度を見極めて業務に当たっている。
県警警務課によると、9月16日に50代の交通課の男性巡査部長が陽性と判明。その後、同月上旬に署員12人が参加して開かれた飲み会に出席した2人が感染するなど、29日までに計12人の感染が確認された。県警はこれ以上の感染拡大を防ぐため、濃厚接触者を中心に、署長、副署長を含む約130人を自宅待機にした。
大幅に減った署員を支援するため、本部から1日当たり50人ほどを派遣。同時に「新型インフルエンザ等対応業務継続計画」に基づき、ホームページの更新作業や関係団体との会合、署独自の採用活動など緊急性の低い業務を当面、見合わせた。
一方、窓口業務や110番通報への対応などは、ビニール製の仕切り設置や庁内の消毒などを行った上で通常通り、継続。署員にPCR検査を受けるよう促し、決裁時に署員同士が接触しないようにもしているという。
警務課は「本部から交通取り締まりに精通している警察官を派遣するなどし、治安維持活動の質を下げないように努力している」と話している。