開幕6連勝も重圧に苦しんだソフトバンク石川、巨人菅野の投球を見て脱出…39日ぶり勝利

©株式会社西日本新聞社

◆楽天1-4ソフトバンク(1日、楽天生命パーク宮城)

怖さを知るからこそ39日ぶりの勝利にも、石川は冷静に受け止めた。「気にしていないと言えばうそになるけど、こればかりは運もあるので。一喜一憂してもいけない」。ソロによる1失点に抑えたが、ここ4度の登板では最も短い6回1/3で仕事を終えた。「すごく難しかった」と苦戦した中で、なかなか届かなかったチームトップの千賀に並ぶ7勝目を手にした。

疑心暗鬼になっていた。開幕から6連勝しながら8月23日のロッテ戦を最後に、ピタッと勝ち星から遠ざかった。ただ白星は付かなくとも、パフォーマンスはむしろ上向いていた。

9月13日の西武戦は完投しながら、外崎に食らった先頭打者本塁打による「スミ1」で敗戦。同20日の楽天戦でも8回まで投げながら、ソロ2本による2失点で黒星が付いた。だからこそ、この試合で4回2死から島内に144キロを右翼スタンド中段へ先制ソロを運ばれた瞬間に「またか」と、負のイメージが頭をよぎったという。

「いいんだけど、良くない。結果が出ていないことで、すべてを否定しちゃいそうで…。よく分からなくなっていた」。石川は登板前夜、就寝前にマウンドに上がる姿の想像を膨らませるが「勝てるイメージが湧かなかった」。投球への手応えはありながら、不安に襲われていた。

順調に白星を積み重ねるうちに、無意識にプレッシャーを感じるようになっていた。窮屈な精神状態を脱するために、目にしたのが巨人菅野の投球だった。9月29日にプロ野球タイ記録となる開幕投手からの12連勝を挙げ、首位を独走するチームをけん引している。

「菅野さんのプレッシャーに比べたら、自分のなんてまだ大したことないな」

他人が背負う重圧を完全に知るすべはないものの、1月に自主トレをともにした球界屈指の右腕の心中を察することで、不安を取り除く材料にした。

中10日と間隔を空けて週前半のカードに組み込まれたのは、シーズン最終盤のロッテとの直接対決を見越してのこと。まずは、期待通りチームを4カードぶりのカード勝ち越しに導いた。それでも「勝ったけど次が大事。次に向けて準備したい」。二度と勝利の女神に見放されないように、油断も隙も見せなかった。 (鎌田真一郎)