独走の巨人は12球団最多12人が出入り、DeNAは補強ゼロ…セ球団の最終戦力状況は?

巨人のゼラス・ウィーラー【写真提供:読売巨人軍】

DeNAと広島は支配下登録枠を3人残して終了、中日は育成4選手を支配下に

プロ野球は9月30日でトレード期限が終了し、シーズン終盤までの戦力が決まった。例年は7月末までだが、新型コロナウイルス感染拡大で開幕が延期になった影響で2か月後ろ倒しに。シーズンは残り3分の1を切る中で、駆け込みの動きも相次いだ。セ・リーグは、リーグ連覇へと突き進む巨人が開幕当初から活発に戦力補強。他の5球団と比べても、大きな違いが出た。

巨人は6月から2か月続けて楽天とのトレードを成立させ、それぞれゼラス・ウィーラー内野手と高梨雄平投手を獲得した。9月30日時点でウィーラーは68試合に出場して8本塁打、25打点、打率.249と存在感を見せ、高梨も29試合に登板して1勝0敗14ホールド、防御率0.69と抜群の安定感を見せている。

さらに9月にはロッテとのトレードで澤村拓一投手が去った代わりに香月一也内野手を獲得。一方で、期限ぎりぎりの9月30日には金銭トレードで楽天へ田中貴也捕手が移籍した。楽天と並び、トレード4件の成立は12球団で最多。加えて、育成5選手が支配下登録となり、計12人の出入りがあった。

阪神は育成の横山&石井が支配下で上限70人に、燕は歳内が1829日ぶり勝利

阪神は8月にオリックスとのトレードで小林慶祐投手を獲得。さらに期限ぎりぎりの9月30日に育成の横山雄哉、石井将希両投手と支配下契約を結び、支配下登録の上限70人に達した。チームは新型コロナウイルスの感染者が出て大幅な入れ替えを実施している中、この戦力でやりくりしていくことになる。

ヤクルトは7月に松本友内野手と支配下契約を結んだのに加え、昨季限りで阪神を戦力外となった歳内宏明投手を9月に獲得。今季は独立リーグでプレーしていた右腕は3試合目の先発となった10月1日のDeNA戦(横浜)で7回5安打無失点と好投し、NPBでは1829日ぶりに勝利を挙げた。

中日は育成の4選手が支配下に昇格し、上限の70人に達した。20年ぶりの外国人捕手の誕生と話題を集めたアリエル・マルティネス捕手は攻守で存在感を見せた時期もあったが、現在は故障で2軍生活を送っている。

広島は9月にDJ・ジョンソンが金銭トレードで楽天に移籍。育成の藤井黎來投手が支配下に昇格した。選手の出入りはこの2人だけで、支配下登録の上限まで3人残した状態で期限を迎えた。DeNAはリーグで唯一新たな戦力補充はなし。広島同様、67人でシーズン終盤まで戦う。

シーズン当初から活発に新しい血を注いできた巨人が首位を独走。他の5球団は、現在の戦力をフル活用して一矢報えるか注目が集まる。(Full-Count編集部)

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