ピンクの法被で船出「十八親和銀」 長崎県民に愛される銀行に

県の花ウンゼンツツジ(ミヤマキリシマ)にちなんだ企業カラーの法被を着て接客する十八親和銀行員(中央)=長崎市銅座町

 十八銀行と親和銀行が1日合併し、十八親和銀行として新たに船出した。行員たちは「県民のお役に」「長崎の発展のために」と気を引き締め、県民に愛される銀行になることを誓った。利用客からは「地元企業を育て、長崎の活性化につなげてほしい」との声が上がった。
 午前9時、長崎市銅座町の本店窓口のシャッターが上がった。吉澤俊介会長と森拓二郎頭取が、企業カラーのピンク色の法被を着た行員と並んで、利用客を出迎えた。
 営業開始に先立ち、親会社のふくおかフィナンシャルグループの柴戸隆成社長が出席してテープカット。新銀行の誕生を祝福した。中村法道知事は祝辞で「地域になくてはならない銀行として企業の事業承継や海外展開、新分野開拓に一層の支援を」と期待を寄せた。
 佐世保市島瀬町の佐世保本店営業部の窓口では早速、新銀行の通帳に切り替える人の姿も。同市白南風町の主婦(51)は「(ピンクは)明るく親しみやすい。お金もたまりそう」とうれしそうに話した。大串祐一佐世保本店営業部長は「県民のお役に立てるよう精いっぱい頑張る」と意気込んだ。
 システムが統合されていないので旧十八銀と旧親和銀の通帳の相互利用ができない。長崎市中心部の旧親和銀浜町支店と旧十八銀思案橋支店を行き来した女性は「互いの通帳が使えずちょっと不便」とぽつり。思案橋支店の窓口を利用した会社役員の男性(70)は「慣れるまでは不便なこともあるだろうが、銀行は経済の血液。我々も変化に協力していかないと」と話した。別の男性(75)は「目先の利益だけでなく、地元企業を育て長崎の活性化につなげてほしい」と求めた。
 行員は決意新たに合併初日を迎えた。旧親和銀の30代女性行員は「いよいよだなという感じ。職場にも心機一転頑張ろうという雰囲気を感じた」。旧十八銀の女性行員(26)は「合併の瞬間に立ち会えてうれしい。両行一緒に長崎、九州の発展に向け仕事ができることにわくわくしている」と話した。
 佐世保市の朝長則男市長は「市民、県民の期待に応えられる身近で頼もしい存在になることを期待している」とのコメントを出した。

 


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