十八親和銀 誕生 長崎県経済発展、貢献に期待 総資産5兆8000億円、九州4位

十八親和銀行の発足を記念しテープカットに臨む(左から)森頭取、中村知事、柴戸FFG社長、吉澤会長=長崎市、同行本店

 十八銀行(長崎市)と親和銀行(佐世保市)が1日、合併し「十八親和銀行」が誕生した。人口減少や超低金利で収益環境が悪化する中、長崎県内2大金融機関の情報ネットワークや人材を集約。親会社ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)の総合力も強みに、県民生活や地場経済発展への貢献に期待がかかる。
 十八親和銀の総資産は5兆8千億円。九州では福岡銀行(福岡市)18兆円、西日本シティ銀行(同)10兆円、肥後銀行(熊本市)6兆円に続く4番目の規模になった。FFGは福岡銀、十八親和銀、熊本銀行(熊本市)の3行体制となり、総資産25兆円に上る国内最大地銀グループの地位を固めた。十八親和銀の県内貸出金シェアは約7割、預貯金シェアは54%を占める。
 長崎市銅座町の本店(旧十八銀本店)で、吉澤俊介会長(64)=旧親和銀頭取=らがテープカット。森拓二郎頭取(65)=旧十八銀頭取=は会見で「経営統合の基本合意から4年半余りの長い年月をかけ、ようやくたどり着いた。顧客満足度ナンバーワン銀行を目指す」と決意を述べた。
 来年1月4日に旧2銀行の事務システムを統合。同5月以降に店舗統合に着手する。
 FFGは2007年、親和銀を子会社化。16年、十八銀と経営統合を目指すことで基本合意した。これに対し、公正取引委員会が県内での競争制限を問題視し、FFGは2度にわたり経営統合を延期、審査は2年半に及んだ。貸出金シェアを圧縮するため約1千億円の借り換え(債権譲渡)を経て昨年4月、統合にこぎ着け、十八銀を子会社化した

十八・親和合併の経緯と今後

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