長期収容問題 厳罰化に反対 長崎県弁護士会が声明

 国外退去命令を拒否する外国人への刑事罰創設などを盛り込んだ政府の専門部会の提言に対し、県弁護士会(中西祥之会長)は1日、反対声明を法務省と大村入国管理センター(大村市)に送付した。
 専門部会は入管施設の収容が長期化している問題を受け、法相の私的懇談会「出入国管理政策懇談会」の下に設置。提言は7月、法相に提出された。
 提言では退去命令に従わない外国人に対する罰則の検討を求めている。これに対し声明は、正当な権利を行使しようとする人も処罰対象になる恐れがあると指摘。家族や医師、弁護士といった支援者まで共犯扱いにされかねず、診療や法律相談などの活動を萎縮させると懸念を示した。
 難民申請中の人の送還を止める効力に例外を設ける提言内容にも反発。「長期収容問題の解決に必要なのは、刑事罰の導入などによる厳罰化ではなく、人間としての尊厳の尊重を念頭においた制度の構築だ」と主張している。

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