奥矢作峡・笹戸温泉(愛知県)で最大の旅館「紫翠閣とうふや」を経営する(株)湯富屋旅館が破産

 div class="summaryText-right">  (株)湯富屋旅館(TSR企業コード:400645513、法人番号:8180301019367、豊田市笹戸町畷7、設立1967(昭和42)年7月、資本金1000万円、大山みつる社長)は9月30日、名古屋地裁岡崎支部に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には梅村浩司弁護士(けやき通り法律事務所、同市若宮町2-16-1、電話0565-31-2632)が選任された。
 負債総額は6億5591万円。

 1938年、豆腐や生鮮食料品の行商・仕出しを目的に創業し1953年、温泉旅館の営業を開始した。奥矢作峡・笹戸温泉で最大の旅館「紫翠閣とうふや」(全34室・205名収容)を運営し、1992年6月に建物を全面改装したことが集客増につながり、ピーク時の1995年5月期には約8億円の売上高を計上した。
 しかし、この全面改装に総額約15億円を要したのに対し、その後の業績は年々低下。赤字を散発し借入金の返済負担が重荷となっていたため、2006年には再生ファンドの資本注入や支援を得て、再建を図っていた。その後、支援元の変更などで方向性も定まらず、業績は一層悪化。2012年5月期の売上高は3億円を下回るようになり、採算性も悪化し債務超過に陥っていた。
 2020年に入ってからは「新型コロナウイルス」の影響で団体客を中心に集客はさらに減少。資金繰りは逼迫の度合いを強め、支えきれず営業を停止し今回の措置となった。

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