グランドピアノを出島に寄贈 長崎バス観光開発基金

寄贈されたグランドピアノを使った記念演奏=長崎市、旧長崎内外クラブ

 文化・観光振興へ助成している長崎バス観光開発振興基金(嶋崎真英理事長)がこのほど、長崎市出島町の国指定史跡「出島和蘭商館跡」内の旧長崎内外クラブにグランドピアノ1台を寄贈した。同クラブでは県内事業所でつくる団体が11月下旬、「長崎OMURA室内合奏団」と連携し、寄贈したピアノなどでコンサートも計画している。
 市によると、出島とピアノを巡る歴史は古く、出島オランダ商館医だったシーボルトが1820年代にピアノを出島に持ち込んだとされる。同基金によると、市は現在、出島に3台のピアノを所有しているが、使い始めて50年以上の物もあり、高音が出にくいピアノもあるという。出島の指定管理者「出島VOF」は寄贈を機に、出島内でコンサートなどの本格的な音楽事業の開催を検討している。
 9月24日には寄贈したグランドピアノの記念演奏が同クラブであった。田上富久市長から感謝状を受け取った嶋崎理事長は「(ピアノの音色で)市民や観光客の気持ちを和ませられたら」と語った。

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