AIで魚種を高速選別 佐世保高専研究チーム全国3位

ディープラーニングコンテスト2020で3位に入った(左から)松本さん、永田さん、若菜さん、辻さん=佐世保市、佐世保高専(同高専提供)

 長崎県佐世保市沖新町の佐世保工業高等専門学校(佐世保高専)の研究チームが、魚の種類を自動で認識して高速選別できるシステムを開発し、全国の高専を対象にした「ディープラーニングコンテスト2020」(日本ディープラーニング協会主催)で3位に選ばれた。
 コンテストは人工知能(AI)の先端技術「ディープラーニング(深層学習)」を用いて開発したシステムと、それによって生み出される事業の価値を競う。全国の高専生が出場(応募時点で在籍していればエントリー可能)。書類審査などを通過した11チームが8月下旬の本選に進んだ。当日は新型コロナウイルス感染防止のためリモートで行い、各チームのプレゼンテーションを投資家5人が審査した。
 佐世保高専からは永田航希さん(21)、松本大樹さん(23)、辻海元さん(23)、若菜慶友さん(21)の4人チームが出場。昨年の応募時点では在学していたが、現在は全員卒業している。
 開発したのは、巻き網漁で水揚げした魚の選別作業を自動化したシステム。魚の写真をAIに学習させ▽アジ▽サバ▽その他-の3種類に選別。その後、魚種ごとに決められたレーンに落とし、仕分けられるように設計した。
 仕組みが簡単で製造コストが安いことや、選別スピードが上がって業務が効率化することなどをアピール。審査員から企業評価額5億円、投資額5千万円の評価を受けた。
 リーダーの永田さんは「漁業は将来の人手不足も懸念され、選別の自動化は必要になってくると思う。このノウハウが水産業の発展に貢献できれば、うれしい」と語った。

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