北海道と沖縄 距離が離れても思いは一緒 旭川工業高校で沖縄戦の写真展 

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沖縄戦写真パネル展に合わせて制作した「首里城復興応援モザイク画」を背にする藤倉綾乃さん(前列左)ら=1日、北海道・旭川工業高(野口隆教諭提供)

 那覇市をはじめ沖縄県内各地を米軍の無差別攻撃が襲った「10.10空襲」に合わせた沖縄戦写真パネル展が1日、北海道旭川市の北海道旭川工業高校で始まった。「平和を願うプロジェクト」として同校2年生有志が企画。「沖縄に寄り添う」がテーマで、昨年10月に正殿などが焼失した首里城復興を願うモザイク画やシーサーの貼り絵も展示し、平和への思いを北の地から発信している。11日まで。(社会部・新垣玲央)

 同校は今夏の学校祭で、戦争のために沖縄と旧樺太の海で多くの人が犠牲になった事件を巡る平和学習の展示を企画していた。だが、新型コロナウイルスの影響で中止。関西・広島への修学旅行も来年1月に延期となり、平和学習の成果発表の場がなくなったという。

 学校祭で、1944年8月22日に学童らが犠牲になった疎開船「対馬丸」の事件と、45年8月22日に旧樺太からの引き揚げ船が旧ソ連軍潜水艦に攻撃され、民間人が犠牲になった「三船遭難事件」を取り上げる予定だった。企画を変更し、制作した広島原爆ドームのモザイク画は校舎の窓に展示した。

 沖縄については「不完全燃焼のまま」だったため、地理や世界史を受け持つ野口隆教諭(56)が生徒に呼び掛け、自身はネットで沖縄戦のパネル写真を購入。新型コロナの感染リスクを避けるために学校玄関での展示を決めた。

 「首里城復興応援モザイク画」は、生徒約40人が1週間かけて横187センチ、縦93センチの首里城正殿を描き、企画を主導した2年の藤倉綾乃さん(17)ら4人がシーサーの貼り絵を作った。書道部も平和のメッセージを添え「僕らは一人じゃないから」と呼び掛けている。

 藤倉さんは「北海道の私たちには沖縄戦に触れる機会がなかった。学びながら知らなきゃいけないと感じた。どんなに距離が離れてても私たち若い世代が、二度と過ちのないようしっかり伝えたい」と話した。

 野口教諭は「初めて沖縄戦を知り、多くの生徒が心にずっしりと重いものを感じていた。戦争は局所的なものではない。広島も沖縄も北海道もどこでも地域の戦争を知ることで平和につながれば」と期待した。

「首里城復興応援モザイク画」や沖縄戦の写真パネルに見入る住民ら=1日、北海道・旭川工業高(野口隆教諭提供)