名投手・ギブソンが84歳で死去 1968年に歴代最高の防御率1.12

カージナルス一筋17年のキャリアで通算251勝をマークして1981年にアメリカ野球殿堂入りを果たした名投手ボブ・ギブソンが日本時間10月3日、膵臓がんとの戦いの末、84歳で亡くなったことが明らかになった。奇しくもギブソンが現役時代を過ごしたカージナルスがパドレスに敗れて2020年シーズンの戦いを終えた日がギブソンの命日となった。

ギブソンは1959年にメジャーデビューし、1975年限りで現役を引退するまで17年間にわたってカージナルス一筋でプレー。通算251勝、投球イニング3884回1/3、3117奪三振、255完投、56完投などはいずれも球団記録となっており、オールスター・ゲーム選出9度、ゴールドグラブ賞9度のほか、1968年にサイ・ヤング賞とMVPを同時受賞し、1970年にもサイ・ヤング賞を受賞した。

特に1968年はギブソンのキャリアハイとしてだけでなく、「メジャーリーガーの最高のシーズン」の1つとして知られており、「投手の年」と言われるほど投高打低の環境のなかでライブボール時代以降では歴代最高となる防御率1.12を記録。6月に5試合連続完封を達成するなど、この前後に12先発連続完投勝利(うち8完封)&自身15連勝をマークし、10試合で90イニングを投げてわずか2失点(防御率0.20)という驚異のパフォーマンスを見せたこともあった。

3度出場したワールドシリーズでは、1964年(対ヤンキース)に2勝、1967年(対レッドソックス)に3勝をマークしてMVPを受賞。1968年は惜しくもタイガースに敗れ、自身3度目のワールドシリーズ制覇を成し遂げることはできなかったが、3試合に先発して2勝1敗、防御率1.67とエースの名に恥じないピッチングを披露した。ワールドシリーズでの通算9先発では7勝2敗、防御率1.89、8完投、2完封という凄まじい成績が残っている。

カージナルスは日本時間9月7日に通算3023安打&938盗塁をマークしたルー・ブロックも81歳で死去。ブロックがカージナルスに加入した1964年途中からギブソンが引退する1975年まで、この2人はチームメイトとしてプレーした。1ヶ月足らずのうちにカージナルスのレジェンド2人が立て続けにこの世を去った。

なお、日本時間10月3日はギブソンが1968年のワールドシリーズ第1戦で17奪三振の5安打完封という見事なピッチングを見せてからちょうど52年が経過した日だった。

© MLB Advanced Media, LP.