長崎県新上五島町南部の宿ノ浦郷白魚地区にある県道沿いで、サクラの木、十数本が季節外れに開花した。かれんな花びらが通行する人を癒やしている。
佐世保市の九十九島動植物園（森きらら）によると、品種は不明だが、葉が落ちたころの気温が開花期の春に近いと新芽が出て花が咲く、「返り咲き」現象とみられる。9月上旬の台風で葉が飛ばされたことが原因のようだ。近くで自動車整備工場を営む、谷川和彦さん（53）は「20年以上ここで働いているが、この時期に咲いたのは初めて」と驚いていた。
西海市大瀬戸町多以良地区でも、稲刈りが進む黄金色の田んぼの近くでサクラが開花。9月25日ごろから咲き始め、多以良内郷の板浦トンネル付近の並木では3日現在で3、4分咲き。
近くの農業の男性（66）は「秋に数輪開くことはあったが、ここまで咲いたのは初めて。今年は梅雨時期の豪雨、夏の猛暑、最後に二つの大型台風と堪えたが、コメの収穫ができてほっとしている」と話した。
