知ってました?『水を飲むこと』の意外な効果。口臭や冷え対策に

日々、飲み物は何をメインに飲んでいますか? きっとお茶やコーヒー、ミネラルウォーターという人が多いのではないでしょうか。

実は、毎日頻繁に口にする飲み物のうちでも最もシンプルな「水」に、意外な健康効果が期待できることがわかってきています。

コロナ禍で3人に1人が「飲料摂取の回数が増えた」

外出自粛期間を経て多くの方が自宅で過ごすことが多くなり、食生活や飲料摂取の状況にも起きているようです。

サンスターグループが実施した「新型コロナウイルスの影響や外出自粛の要請による生活の変化に関する調査」によると、外出自粛要請後、およそ3割以上の人の間食・飲料摂取の機会が増加したことがわかりました。

約3割の人が「食生活に変化があった」と回答していて、その理由としては「お茶やコーヒーを飲む頻度が増えた」が53%、「冷凍・レトルト食品の利用頻度が増えた」が43%、「間食の回数が増えた」が43%の順でした。

出典:サンスターグループ調査(2020年4月実施。対象:全国の男女1,000名)

自宅にいると、外にいるよりも手軽に飲食がしやすくなることもあって、特に飲み物を飲む頻度は増えているようですね。
夏の間、ストックしているお茶やミネラルウォーターなどの減りが早くて、たびたびネット注文したなんて経験をした方も多いのでは?

ひんぱんに飲むなら、やっぱりお水?

ひんぱんに飲み物を飲んでしまう状況では、何を飲むべきかが気になるところ。
健康を考えると、家族には清涼飲料水やカフェイン飲料よりもお水を飲ませたいと思うママも多いのでは?

実はシンプルなお水こそ、いま注目すべき飲料だといわれます。その理由とは?

熱中症対策・普段の水分摂取に

水分摂取は生命の維持のためにも必要だということはよく知られています。
厚生労働省後援の「健康のため水を飲もう」推進委員会の資料によると、1日約2.5リットルの水分量が必要だといわれています。1日の水分排出量が2.5リットルなので、その失われた分を補う必要があるためです。食事から1.0リットル、体内で作られる水は0.3リットルなので、残りの1.2リットルを飲み水から摂取する必要があります。しかも、飲料大手サントリーグループの基盤研究を担うサントリーグローバルイノベーションセンター株式会社の研究部 中村友美さんによると、特に今年はマスクを着用している時間が長いことで水分摂取を控えがちなので、例年以上に水分摂取を意識すべきだと話します。

1リットル以上の水分を飲まなくてはならない中、糖分や塩分の摂りすぎや太ることを気にせず安心して飲めるお水は安心。ただし、真水だけを過度に摂取すると体内の塩分濃度が下がりすぎてしまうので、3度の食事をきちんと摂り、塩分はじめその他の栄養もきちんと摂取することが基本です。

冷え対策にも水がおすすめ!?

実は、水は冷え対策にもおすすめだといいます。

慶應義塾大学 医学部 安井正人先生によると、一般的に冷え対策には温かい飲み物で体を温めるのが効果的であるとされている一方、今回の研究で就寝前と起床後における習慣的な水分摂取が体温上昇もしくは低下抑制に効果があるそう。
安井先生は「冷え対策のひとつとして、朝晩の水分摂取を習慣化することもおすすめです。体温上昇(低下抑制)により、冷え改善や免疫機能向上につながる可能性があり、体質改善も期待できます」と話します。

口臭対策にも最適

そして、水は口臭対策にもなるといわれています。東京ブレスクリニック院長 上田恵子先生によると、口臭の大きな原因の一つが“口の乾き”だといいます。

「唾液には自浄作用があり、口内をトラブルから守ってくれますが、ストレスなどによって唾液がドロドロしたり、分泌量が減って口内が乾いたりすると、臭いの元となる細菌、『嫌気性菌』が増殖してしまいます。昨今はコロナ禍でさまざまなストレスが溜まりやすいうえ、マスク着用で口呼吸になりがちなので、口臭が発生しやすい傾向にあります」(上田先生)

その口の渇き対策に適しているのが「水」ということ。
「マスクをする生活は、口内の渇きも増します。喉が渇いたら『水』を飲んでください。コーヒー、紅茶に含まれるカフェインには利尿作用があり、体内の水分が抜けやすくなってしまいます。さらに、熱い飲料も口内が乾く原因になりますので、水を選びましょう。外出の際も水を持ち歩いて、こまめに口内の潤いを保つように患者様にも指導しています」(上田先生)

前述のサンスターの調査にもあった「間食の増加」も、口臭の原因になり得るそう。
「間食の回数が増えると、口内の酸性化が進み、臭いが発生しやすくなります。間食の回数は一日1回、間食後は酸性に傾いた口内を水で中和することは口臭対策の一つです」(上田先生)

ちなみに飲料のプロ集団ともいえるサントリーの社員は、仕事中、口臭対策などを意識して、こんな風にドリンクを飲んでいるそうです。

「デスクで集中作業したいときはコーヒー、複数人と近い距離でディスカッションするときは、無糖紅茶や水など強い香味のないものを選んでいます。最近はテレワークでコーヒーを飲む回数が自然と増えていますが、定期的にお水を飲んで口内をうるおしたりして、舌にコーヒー味が残る不快感を防いでいます」(サントリーBOSSブランド宣伝担当 女性)

「缶コーヒーを好みますが、飲み終わった後の口の中が気になるので、お水を一緒に購入して、ゆすぐ感覚で飲んでリフレッシュしています。BOSSブランドの担当ですが、サントリーの『南アルプスの天然水』を常に所持しています(笑)」(サントリーBOSSブランドマネージャー 男性)

いつも飲むお水が実はシンプルな口臭対策に。ぜひ取り入れたいですね。

水を飲むオススメのタイミングは?

ところで、水はどんなタイミングで飲むのがいいのでしょうか?

「寝ている間にも体は水分を失うため、就寝前と起床後に摂るのがおすすめ。
研究結果によると、就寝前に水分摂取をしても夜中の排尿の回数は0.8回から1.1回の増加であり、懸念されるほど大きな増加ではありません。
また、睡眠時間の変化もなく、夜間のトイレによって睡眠が妨げられるほどの影響はないと確認しています。また、若い頃からの朝晩の習慣的な水分摂取が、加齢による腎機能低下にも効果的で、老廃物排出にも役立つ可能性があり、老廃物を効率よく尿として排出していくことでデトックス効果も期待できます。」(安井先生)

夜寝る前と朝起きた後には水。
これを習慣付けるとよさそうです。

選ぶべき水の種類は?

一言で水といっても水道水、ペットボトルの水、硬水・軟水などいろいろな種類があります。何を選ぶべき?

「世の中ではグローバル化が進んでいますが、一方、水は『ローカル』のものを飲むことが自然の理にかなっているとも考えられます。
かつおなど、和風のだしを取るには日本で摂りやすい『軟水』が適しているとされている一方、洋風スープのもとになるスープストックはヨーロッパなどで摂りやすい『硬水』が適しているとされています。長年の食文化の違いなどから、欧米人は硬水、日本人は軟水でそれぞれの身体が作られてきたと言えます」(安井先生)

日本人は「軟水」が飲みやすいところがあり、和食にも適しているそう。ぜひ参考にしてみてください。

水の意外な健康効果や飲み方をご紹介しました。
家族の健康を守るため、そして口臭予防のために、ぜひ、水を工夫して活用してみましょう!

出典:
サンスターグループ調査「2人に1人がオーラルケア意識に変化 会話が減り、間食が増えて、お口のリスク高まる」

厚生労働省 「健康のため水を飲もう」推進運動

取材協力:
東京ブレスクリニック院長 上田恵子先生
慶應義塾大学 医学部 安井正人先生
サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社 研究部 中村友美さん

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