【IR考】横浜の市民団体、市長リコール署名活動を開始 49万人分必要

林市長のリコール実現へ署名を呼び掛ける市民ら=JR桜木町駅前

 横浜市が進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致に反対する市民団体「一人から始めるリコール運動」は5日、林文子市長のリコール(解職請求)を目指して署名活動を始めた。期間は2カ月で、リコールには市内の有権者約49万人の署名が必要。

 同団体は、2017年7月の市長選で「白紙」を掲げて3選を果たした林市長が昨年8月に誘致表明したことなどに対し、「市民の声を聞かない市長は解職を」と批判。

 同日行われたJR桜木町駅前の署名活動では、活動に賛同する市民ら約40人とともに、広越由美子代表(40)が「リコールは市民の権利。定額給付金を申請するような気分で身近に感じてほしい」と協力を呼び掛けた。

 署名は2時間で約140人分集まったといい、友人と散歩していた同市港南区の女性(72)は「市に利益があるのかもしれないが、ギャンブル依存症患者が増えれば家庭の崩壊など、目に見えないところが崩れてしまう」と、署名簿に名前を連ねた。

 署名活動を担う「受任者」は現在約4万7千人。街頭活動のほか、知人などを通して約49万筆を目指す。市選挙管理委員会によると、法定署名数に達していた場合、来年4月以降に解職投票が行われる見込み。当初、今年7月から署名を開始する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期していた。

 IRを巡っては、別の市民団体が誘致の賛否を問う住民投票の実現を目指して9月4日から署名活動をしている。

© 株式会社神奈川新聞社