レッドブルF1代表、リバースグリッド案に反対も「非選手権レースで試す価値はある」

 レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、F1にリバースグリッドを取り入れるというアイデアを気に入ってはいないが、そのコンセプトを非選手権イベントなど、選手権に影響しない形で試すことには賛成だという。

 最近F1のスポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、2021年の一部レースでリバースグリッドによる予選レースを実施することを提案した。

 F1はこの案をファンが支持するかどうかを評価するための投票も実施している。一方、チームとドライバーの反応はいまのところポジティブなものとはいえない。多くの関係者が、このコンセプトは中団チームのチャンスを高める人為的な仕掛けであると同時に、勝利の価値を減じてしまうと考えているのだ。

 しかしながらホーナーは、F1は「何か違うことを試すことを恐れるべきではない」と考えている。ただし、それは特定の条件のもとで行うべきだというのが彼の主張だ。

「そうする機会、それに合う種類の会場、招待レース、非選手権レースがあって、試すことが可能なのであれば、どのような結果が出るのか確認するのは非常に興味深いことだ」とホーナーは、ロシアGPの週末に行われた記者会見において語った。

「問題なのは、試してみなければ分からないということだ。そんなことは馬鹿げている、うまくいくはずがない、と言うだけなのは非常に簡単なことだ。私も実際にはそう考えている」

「だが人生には時折何かを試して結果を見るべきときがあるものだ。それをチャンピオンシップに影響しない形でできたらいい。どのようにすれば1戦ごとに異なる規則を適用することが可能なのか分からない。だが非選手権レースか招待レースならいいかもしれない」

「今年はこれだけの素晴らしい新しいサーキットでレースが行われる。今後数年はレースが開催されない場所だ」
「完全に異なるフォーマットを試すために、ひとつのイベントを選ぶとして、何か失うものがあるだろうか?」

2020年F1第10戦ロシアGPスタート

 2021年には、F1において規則変更を行う際に、全チームの賛成は必要なくなるが、3チームが反対すれば案は通らなくなる。

 メルセデスとマクラーレンは、リバースグリッド形式の導入に反対であることを明言しており、メルセデスのパワーユニット(PU/エンジン)を搭載する他のチームもそれに続く可能性が高い。

 ホーナーは、今シーズン序盤にレッドブルリンクとシルバーストンにおいてそれぞれ2週連続で同会場でグランプリが開催された際に、新コンセプトを試してみるべきだったとも語った。

「今年、オーストリアとシルバーストンではそれぞれ2回ずつレースが行われたが、残念ながらその時機を逸した。試してみることが可能だったと思う」とホーナー。

「たとえば(今後)オーストリアで2回レースを開催することにすればどうだろう。2週連続で行うことが可能だ。もちろんこれに関してはさまざまなパターンがあり、多数の問題点がある。現時点では単なるアイデアだ。私は聞かれた質問に答えたにすぎず、この話は他のチームやリバティ、FIAと議論したものではない」

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