全部わかるタイラバ入門! 【仕掛けやロッド、リールなどのタックルから釣り方まで!】

初心者には敷居が高いと思われがちな船釣りですが、実はそんなことはないんです! 「タイラバ」は言わずとしれた高級魚「マダイ」を狙う釣り。初めてでもカンタン、なのに釣れる! この記事ではそんな「タイラバ」に必要なロッドやリールなどのタックルから釣り方までをお伝えします。

落として巻くだけで、簡単にマダイが釣れる!

船から落として巻くだけで、本命のマダイはもちろん青物や根魚など、さまざまなルアーターゲットが釣れることで『オフショアゲームの登竜門』的な役割を果たしているタイラバ。

もともとは漁師さんがマダイを獲るために使っている漁具の『鯛カブラ』からルアーへと昇華したものだと言われており、金属製のヘッドにラバー製のアピールパーツという組み合わせから『マダイを釣るためのラバージグ→タイラバ』と呼ばれるようになりました。

シンプルながら各パーツにはそれぞれ重要な役割がある

「タイラバ」はヘッド、スカート、ネクタイ、それにフックで構成されている。

釣りをやったことがない人やエサ釣りオンリーの人、もしくはルアーアングラーでも初めて見る人なら『コレで魚が…しかもマダイが釣れるの!?』と疑ってしまいそうな、とてもシンプルな構造のタイラバ。ここでは各パーツの役割を説明します。

ヘッド

タイラバの根幹となるパーツで、オモリとしての役割はもちろん、アイやアピール力が強いカラー、ホログラムなどの反射により、マダイに向けて存在感を強調する重要な部分となります。

重さはさまざまですが、おおまかな判断基準は水深40mなら40g、80mなら80gと、探る水深に重さを合わせるのが良いでしょう。リーズナブルな鉛製、高価だけれども沈下速度が速いタングステン製があります。

スカート

タイラバの『ラバー』の部分で、バス釣り用ルアーのラバージグ同様に水流を受けることでシルエットがフワフワとしたナチュラルなものとなり、人工物感をやわらげる働きがあります。

ただ、ここ数年はラバーの量を減らす、もしくはラバーを完全に撤去してしまうというチューニング方法もあるようです。

ネクタイ

細長いひし形をしていることで、いつの間にかこの呼び方が一般的になりました。フォール時とリトリーブ時に生き物のようにたなびくことで、喰わせを担う重要なパーツです。

また、フックの存在感を抑制する働きもあるようです。ストレート形状からカーリー形状、龍のようなドラゴン形状など、さまざまなタイプがあります。

フック

太めのPEラインに段差セッティングで2本付けられているのが一般的で、通常は何も着けずに使用しますが、よりアピール力を高めたい場合には専用ワーム、またはどうしても釣りたい場合には生エサを着けて使用することもあります。マダイの固い口でも貫通できるように、太軸の強化タイプが好まれる傾向にあります。

そして、このタイラバですが、『スカート&ネクタイ&フック』を合わせたリグ部分とヘッドが一体型の『固定式』、リグ部分からヘッドがフリーになる『遊動式』の2タイプがあります。遊動式はマダイがフッキングして激しい首振りファイトが始まるとヘッドがリグ部分から離れ、リグ部分に余計な重さを背負わせないことでバレるのを防ぐ効果があります。

汎用性の高いベーシックモデル【無双真鯛フリースライド(ハヤブサ)】

ハヤブサの「無双真鯛」シリーズの鉛ヘッドを使用したベーシックなモデル。フリースライドの名の通り遊動式のヘッドを持ち、ファイト中に首を振られてもバレにくい設計になっています。

リーダー同梱のお手軽セット【紅牙 ベイラバー フリー α(DAIWA)】

フロロカーボン製のリーダーを50cm&ローリングスイベルがあらかじめセットされているので、釣り場ですぐに使える簡単仕様。こちらも完全遊動式になっています。

タングステンヘッドで感度ビンビン!【ビンビン玉スライド(ジャッカル)】

高比重タングステンヘッドを採用したヘッド。素早くボトムに着底し、同時に引き抵抗も軽いので手返しの良いゲームが展開可能。潮の流れも感じ取りやすいので、ここぞという時合を逃しません。

タイタイの実でタイラバ王に俺はなる!【鯛乃実(メジャークラフト)】

低活性な状況にも対応すべく、ボリュームを主張するラバースカートを極力減らしてネクタイのみ(タイのみ=鯛乃実)でフィネスなアピール。根魚、青物、ヒラメなどのフラットフィッシュにも対応しています。

タイラバには専用ロッドが不可欠!!

次はタックルについて。タイラバの重さや船からのバーチカル(垂直方向)スタイルということを考えると、ライトジギング用ロッドなら使えるのでは? と思われるかもしれません。確かに、できなくはないですが…結論から言えば、タイラバ専用ロッドが圧倒的にオススメです。

というのも、タイラバでの釣りはマダイからのアタリを感じても『アワセない』釣りなのです。マダイのアタリは『コッコッコッ!』と口先だけで連続的に突くような感じで、アングラー自らアワセを入れると高確率でスッポ抜けることが多いのです。だから、突くようなバイトでもフックがすんなりと口の中に入りやすい、繊細でソフトなティップを持った専用ロッドが必要不可欠になります。

紅牙シリーズの最軽量モデル【紅牙 エアポータブル(DAIWA)】

2020年新たに紅牙シリーズに加わった新製品であり、ダイワの高性能ティップ「メタルトップ」を搭載。シリーズ中もっとも軽いロッドでもあり、エアポータブルの由来にもなっています。

タイラバロッドのスタンダード【炎月 BB(シマノ)】

シマノのタイラバブランド「炎月」のエントリーモデル。ロッドへの負荷が少ないスパイラルガイドを採用、こちらも非常に軽く自重は90gほど。上位機種にも譲らない性能を誇ります。

しなやかに曲がりこむ、文字通りの高感度ロッド【ビンビンスティック(ジャッカル)】

「ビンビンスティック」の名の通り感度が高く繊細、なおかつ柔軟性の高いカーボンソリッドティップを採用。タイラバに余計な動きを与えることなく、違和感を持たせずにマダイを追従させやすい。

タイラバ用リールには高回転モデル&ラインは0.8~1号を!

リールに関しては、回転精度がスムーズなモデルが必要になります。その理由として、マダイは一定の速度で移動する物体に興味を示す傾向が強く、同じ速度で巻き続ける『等速巻き』をイージーにこなせる、精密なギアユニットを有したリールが主流になっています。水深や当たりタナがわかりやすい、カウンター付きリールも良いでしょう。

タイラバ特化のエントリーモデル【炎月 BB(シマノ)】

ブランド「炎月」における入門用のタイラバリール。コストパフォーマンスを意識したモデルでありながら、2017年にはハイギアモデルが登場しました。手返し良くフォールと巻き上げを繰り返すことができます。

ハイバリュープライスでカウンター機能を実現!【LIGHT SW X IC SS/L SS(DAIWA)】

船上での比較的ライトな釣り全般を対象にしたベイトリールです。タイラバだけでなく、イカメタルや浅場でのエサ釣りにも適しています。この価格帯でカウンター機能を搭載しているのも大きなアドバンテージとなるでしょう。

電動リールの安定感【エランSW [DENDO150(テイルウォーク)】

深いエリアで釣る際や船を潮の流れに任せる「ドテラ流し」中など、仕掛けを巻くのに手間がかかる状況下では電動リールが非常に有効です。一定の巻き速度を保ちやすい点もタイラバでは有利に働きます。

ラインはPEライン1号前後で、水深100m超を狙う『ディープタイラバ』も考えれば、200m巻いておけばOKです。リーダーはフロロカーボン5号前後で、長さは1ヒロ~2ヒロが目安です。

10mごとの見やすいマーカー【タナトル4(シマノ)】

繊維メーカーの巨人、東洋紡が開発した高機能ポリエチレン繊維「IZANAS」を使用した信頼性の高いPEラインです。ラインマーカーの配色に見やすいパターンを採用しており、カウンターがなくてもタナを把握しやすいようになっています。

アタリがあってもアワセず、ひたすら巻き続ける

肝心の釣り方ですが、タックルの部分でも少々触れましたが、基本はタイラバをボトムまで落とし、着底と同時に一定の速度で巻き上げてくる。これをひたすら繰り返し、マダイからのアタリを待ちます。そして待望のアタリ! があってもアワセずにそのまま巻き続け、それまでとは違う大きな重みが掛かったら、フッキングが決まっています。

フッキング後のファイトはポンピングや大きなロッド動作は行わず、ラインテンションを張ったままロッドティップを水面に向けて、ひたすら巻き続けて下さい。マダイが走ったらドラグを活用したり、さらにロッドを下げたりして対処するのがコツです。

マダイが水面まで上がってきても、興奮したまま抜き上げたりするのはNG。繊細なティップなだけに簡単に折れてしまうので、取り込みは船長さんや周りのアングラーにお願いしましょう。

オフショアでも敷居が高くない、始めやすいタイラバ!

以上、タイラバの釣りを駆け足に紹介してきましたが、ビギナーにも要求度があまり高くない、冒頭にも記した通りオフショアゲームの登竜門としては最適の釣りです。しかも誰もが知っている高級魚の代表格・マダイが釣れてしまうワケですから、やらない手はありません! ぜひともチャレンジしてみて下さい!!

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