インダストリアルインテリアを上手に選ぼう。間違えない選び方のコツや実例を紹介

インダストリアルインテリア特有の「無駄のない洗練された空間」は、年齢や性別を問わずに取り入れやすく、おすすめのコーディネートスタイルです。インダストリアルインテリアに興味はあるけど、どういったものかよくわからないという方もいるのでは。この記事では、インダストリアルインテリアの意味や、コーディネートのポイントなどについて詳しく紹介します。

インダストリアルインテリアとは?

インダストリアルインテリアとは、無骨で重厚感のある雰囲気が特徴の家具です。そもそも「インダストリアル」という言葉には、工場や工業、産業といった意味があります。工業用品のように、派手に装飾されておらず、無機質な印象の家具を取り入れることで、インダストリアルな部屋のコーディネートとなります。インダストリアルインテリアの詳しい特徴については次の項目で説明します。

素材は「木製」「スチール」「レザー」が基本

インダストリアルインテリアは、「木製」「スチール」「レザー」などの素材が基本で、シンプルながらもかっこよくクールなテイストにつながります。それぞれの素材はピカピカに仕上げておらず、使用感のある素朴な雰囲気を感じるものがインダストリアルインテリアにマッチします。

インダストリアルインテリアには、「レンガ」「ヴィンテージ加工を施したアイテム」などを取り入れることもあります。インダストリアルは基本的に華やかさは一切なく、「シンプルな美しさ」が特徴です。

色はダークカラーやアースカラーをチョイス

インダストリアルインテリアでは、主に「ダークカラー」「アースカラー」などの色をチョイスします。グレーやブラック、ブラウン、ブルーなどの色をメインで使うことで、シンプルで統一感のある美しいインダストリアルインテリアになります。

インダストリアルインテリアは、全体的に落ち着いたカラーを使うため、大人っぽい空間に仕上がります。ただし、インダストリアルインテリアの落ち着いた雰囲気は、女性には少しハードな印象かもしれません。必要に応じアクセントとして「ホワイト」「アイボリー」を取り入れるのがおすすめです。

インダストリアルインテリアと似ているスタイル

工業的でシンプルな美しさが特徴の「インダストリアルインテリア」ですが、見た目や空間の要素など、他にも似ているスタイルがあります。インダストリアルインテリアと同系色のスタイルや、タイプが似ているインテリアについて見ていきましょう。

ブルックリンインテリア

インダストリアルに似ているスタイルとして、まず挙げられるのが「ブルックリン」です。ブルックリンスタイルは、コンクリートやスチールといった、インダストリアルインテリアと同じ素材に「装飾」をプラスしたようなイメージです。

ブルックリンスタイルは、アメリカのニューヨーク州ブルックリン区のカフェをイメージしたスタイルで、発祥地の街並みが感じられます。レンガの壁やブラックスチールなど、使用する素材が似ていますが、全体的なコーディネートがカジュアルな雰囲気で、アイテムや装飾が多い傾向があります。

ブルックリンインテリアについてもっと詳しく知りたい人は下記の記事をチェック。
ブルックリンスタイルとは?インテリアの特徴や選ぶ時のポイントを紹介

ミッドセンチュリーインテリア

曲線を描いたデザインやポップなカラーが印象的なミッドセンチュリーデザインだが、カラーや形によってはインダストリアルインテリアとして取り入れることも可能

ミッドセンチュリーインテリアはアメリカ発祥の家具スタイルであり、1950年前後に流行したデザインです。そもそも、ミッドセンチュリーは、1940~1960年代のこと、もしくはその年代のデザインを意味します。時代を現したようなポップなカラー使いや個性的な曲線を描いたデザインが特徴で、テイストとしては真逆なイメージがあります。

しかし、ミッドセンチュリーインテリアの代表ともいえる、イームズチェアやネルソンベンチなどは、素材感がインダストリアルインテリアと通ずるものがあります。ダークカラーのデザインを選べば、インダストリアルインテリアとして取り入れられることも。

ミッドセンチュリーインテリアについての詳しい解説は下記の記事をチェック。
ミッドセンチュリーの特徴とは? インテリアで1950年代のような世界観を取り入れよう

ヴィンテージインテリア

ヴィンテージと呼ばれるものはデザインの幅が広く、質感にこだわったシンプルなものはインダストリアルインテリアにフィットする

インダストリアルインテリアと似ているスタイルのひとつが、「ヴィンテージ」です。ヴィンテージは、温かみのある味わい深い木材を使用したインテリアが多く、大人っぽい「渋さ」を感じられるのが特徴です。

ヴィンテージはデザインとしては幅広く、男らしい無骨なものもあれば、ヨーロッパの貴族が使うような高級感のあるものまであります。レトロ感が漂うインテリアですので、インダストリアルインテリアとは異なり、シンプルな美しさとは違った印象を受けます。

ヴィンテージインテリアについてもっと詳しく知りたい人は下記の記事をチェック。

カフェ風インテリア

インダストリアルインテリアに似ているスタイルとして挙げられるのが、「カフェ風」です。カフェ風といっても様々なスタイルのカフェがあるため一概には言えませんが、ほとんどの場合「カフェ風インテリア」といえば、まるで隠れ家のようにひっそりと佇むカフェを連想させるインテリアで、落ち着いたトーンの木製家具やアイアンなどのアイテムが並びます。

一見、インダストリアルインテリアと似たように見えますが、カフェ風のインテリアの方が木の温かみを感じられるのが特徴です。インダストリアルインテリアは、温度感のない無機質な雰囲気のスタイルですので、柔らかさが欲しい方にはカフェ風スタイルがおすすめです。

カフェ風インテリアについてもっと詳しく知りたい人は下記の記事をチェック。
カフェ風インテリアはダサい?失敗しないための作り方

インダストリアルデザインの内装イメージ

上記でも触れたとおり、インダストリアルインテリアは、コンクリートやレンガなどを取り入れた、シンプルな美しさが印象的なスタイルです。とはいえ、具体的にどのような内装なのかはイメージしにくい……と感じる方もいるのでは。ここからは、インダストリアルのおしゃれな部屋の特徴について詳しく紹介します。

【壁紙】白い壁紙ではインダストリアル感ゼロ。コンクリートやレンガを部分使いしよう

インダストリアルインテリアは、壁にこだわると雰囲気がぐっと増す

インダストリアルインテリアの内装は、コンクリートやレンガを取り入れたものが定番です。ただの白い壁では、インダストリアル感がなく、単純に「シンプルな内装」となってしまいます。

インダストリアルな部屋を目指すなら、コンクリート壁やレンガ壁を部分使いするなどしてみましょう。とはいえ、壁紙を張り替えたり、塗装したりするのはハードルが高いと感じる方も多いはず。

そこでおすすめなのが、DIY用の貼ってはがせる壁紙「リメイクシート」です。リメイクシートを使えば、気軽に壁紙の雰囲気を変えられます。レンガ風の壁紙や、コンクリート風の壁紙を部分使いするように貼り付けてみましょう。

壁紙をリフォームしたいと考えてる人は下記の記事をチェック。

【フローリング】屋外のような無骨さがかっこいい

インダストリアルな内装では、「フローリング」は屋外のような無骨さを演出するのが定番。コンクリート打ちっぱなしや、ダークブラウンなどの落ち着いたトーンの木材などは、インダストリアルインテリアとの相性が抜群です。

今からリフォームやマイホームの購入を検討している方ならこれからフローリングを変えることができますが、すでに建てた家や賃貸にお住まいの方には、フローリングを変えるのは難しいところ。そんな場合は、クッションフロアやフロアタイルを使ってDIYすることもできます。

ただし、いくらDIYでもお金はかかります。床にまでこだわることが難しい方は、床を全体的なコーディネートの柱として考え、今の床の色や柄に合わせたインダストリアルインテリアを選びましょう。

【天井】配管がむき出しなのがインダストリアル感

インダストリアル感を前面に出したいなら、「配管」をむき出しにするのがおすすめです。配管をむき出しにすると、インダストリアル特有の「工場のような雰囲気」を演出できます。

特に、壁や天井がコンクリート素材(もしくはコンクリート風)の場合は、むき出しの配管がマッチします。配管をむき出しにするためには、スケルトンリフォームやリノベーションを行う方法が一般的です。

スケルトンリフォームについては下記の記事で解説しています。
スケルトンリフォームって何?費用相場や事例もご紹介

しかし、賃貸物件であったり、そこまでお金をかけられない方にとっては、リフォームやリノベーションといった選択肢は現実的ではありません。その場合は、棚や吊り下げ収納などで「配管むき出し風」を表現するのがおすすめ。DIYで自分好みにデザインしましょう。

塩化ビニールのパイプを配管のように天井に取り付けるだけで、まるでむき出しの配管のように見えます。塩化ビニールのパイプを本物の金属配管に似せるために、汚れたように塗装してみると、より重厚感のある空間になります。

家具別|インダストリアルインテリアの特徴

インダストリアルインテリアに分類できるアイテムや組み合わせなどは様々です。取り入れ方次第でインダストリアル感を強めたり、もしくは台無しにしてしまうこともあるので、慎重に検討していかなければなりません。

ここからは、インダストリアルインテリアの特徴について、家具別に紹介します。インダストリアルデザインのコツを把握して、統一感のある素敵な空間にしてみてください。

【照明】蛍光灯では台無し。ペンダントライトで無骨さを演出

サビ加工やマット仕上げが施されたペンダントライトを飾れば、よりインダストリアル感を演出できる

インダストリアルインテリアに近づけるうえで、「蛍光灯」は避けたいところ。蛍光灯は、生活感を出してしまう照明であり、せっかくのインダストリアルな雰囲気を半減させてしまいます。

インダストリアルな照明は「ペンダントライト」がおすすめです。ペンダントライトを取り入れるなら、シェードのカラーはブラックやシルバーなど重厚感ある色がおすすめです。

可能であれば、サビ加工もしくは、マット仕上げが施されているシェードを選びましょう。サビ加工やマット仕上げが施されたペンダントライトは、工業的な雰囲気をより引き立ててくれます。他には、電球がむき出しに見えるものもおすすめです。

【カーテン】相性はいまひとつ。おすすめはブラインド

とことんこだわるなら、カーテンの代わりに木製のブラインドを取り付けるのがおすすめ

インダストリアルインテリアを取り入れるなら、カーテンはあまりおすすめできません。とくに薄い色のカーテンは、柔らかな印象を与えてしまいます。カーテンとインダストリアルインテリアの相性はあまり良くないので、代わりに「ブラインド」を設置するのがおすすめです。

柄がなく、すっきりとした雰囲気のブラインドは、シンプルな美しさが特徴の「インダストリアルインテリア」にぴったりです。どうしてもカーテンが必要な場合は、ホワイトもしくはグレーなど無骨な印象をあたえる色を選びましょう。

【ソファ】革製品やアイアンフレームのものを

インダストリアルインテリアとして、ソファを取り入れる場合は革製品もしくはアイアンフレームのものがおすすめ。ソファは、大型家具のひとつであり空間の印象を左右する存在です。だからこそ、ソファを選ぶときにはインダストリアル感にこだわったチョイスをすることが大切です。

【ラグ】柄物はコーディネートが難しい。モノトーンが吉

インダストリアルインテリアにラグを取り入れる場合、「モノトーン」を選びましょう。柄物のラグは、インダストリアルな空間に合わせて選ぶのは難しいもの。落ち着いたトーンであっても、柄次第でインダストリアル感を台無しにしてしまう可能性があるので、おすすめできません。インダストリアル感を大切にしたラグを選ぶなら、スタイリッシュな雰囲気を感じられる「モノトーンの無地」を選ぶようにしましょう。

【テーブル・チェア】アイアン×木製がバッチリはまる

テーブルやチェアは定番の「アイアン×木製」を選ぶと全体的なコーディネートをしやすくなる

インダストリアルなインテリアの特徴のひとつが、「アイアン×木製」です。テーブルやチェアなどの家具をアイアン×木製で選ぶと、インダストリアルな部屋にぐっと近づきます。

そもそも、インダストリアルインテリアの素材の定番はアイアンや木製の家具です。これらの条件を満たすテーブルやチェアを置けば、一気にインダストリアルな空間に包まれます。

さらに、「ダメージ加工が施されたもの」「使い古された感じのあるもの」などを選ぶと、より重厚感のある雰囲気になります。

【収納】重厚感のある収納をチョイスして

収納家具を設置する場合は、重厚感のあるものをチョイスしましょう。スチール系の素材は、金属特有の重厚感を携えています。スチールラックであれば、カラーバリエーションも豊富なので、ブラックやグレー、シルバーなど理想のテイストに合わせて選びやすいでしょう。収納棚を設置したいときは、部屋の全体的な印象に馴染むような、重厚感のある家具をチョイスしてください。

【ベッド】ファブリックは素材感と色味にこだわる

ベッドをインダストリアルインテリアに近づけるなら、「素材感」「色味」に注目してアイテムを選びましょう。ベッドカバーやシーツの素材はコットンやリネンがおすすめです。ナイロンやベロアのように光沢のある質感では、インダストリアル感を損ねてしまいます。

カバーのカラーを決めるときには、くすんだ色味のものを選びましょう。深みのあるグリーンや、ライトグレーなどは、インダストリアルインテリアにピッタリです。

【雑貨】インダストリアルにもグリーンは合う

インダストリアルインテリアとグリーンは相性が良く、無骨な空間に安らぎをもたらしてくれる。入れ物にこだわるのもおすすめ

部屋の雑貨品として定番の「グリーン(観葉植物)」は、インダストリアルインテリアにも合います。インダストリアルインテリアの良さは「無骨さ」ですが、濃いグリーンの観葉植物を取り入れることで、さらにクールな印象が強まります。

観葉植物は、インダストリアルインテリアで「暗くなりすぎた」というとき、空間に適度な明るさを足してくれます。上手に取り入れてみましょう。鉢などの、入れ物にインダストリアルテイストを取り入れれば、より統一感のある部屋をつくれます。

観葉植物を育ててみようと考えている方には下記の記事がおすすめ。
人気の観葉植物の種類と育て方。飾り方のポイントとインテリアのコツ

インダストリアルインテリアはDIYとの相性バッチリ。手軽にできるおすすめリメイク

インダストリアルインテリアは、DIYとの相性が抜群です。そのうえ、DIYなら、手頃な価格でインダストリアル感を取り入れられ、リフォーム・リノベーションができない「賃貸物件」でも理想の空間づくりができます。簡単でおすすめなDIYについて説明します。

壁紙は100均や通販で貼ってはがせるリメイクシートを

インダストリアルな壁紙にしたいときには、リフォーム会社に依頼すれば間違いないですが、自分でも手軽に壁紙を変えられます。賃貸にお住まいの方は壁紙自体を変えるのは難しいため、100均や通販で販売している「貼ってはがせる」リメイクシートなどの商品を活用しましょう。

100均や通販では、インダストリアルな雰囲気のあるダークブラウンの木目調や、コンクリート打ち放し風の貼ってはがせる壁紙を販売しています。貼ってはがせる壁紙であれば、退去時や模様替えをしたいときに綺麗にはがせるので、賃貸でも安心です。

ソファやローテーブルは木製パレットを使って自作する

実際に工場で使われている木製パレットをリメイクして、インダストリアルインテリアを自作できる

DIYでインダストリアルなインテリアを取り入れるなら、木製パレットを活用してみましょう。工業界では、荷物を運ぶときに木製のパレットを使います。この木製のパレットは、インダストリアルインテリアとの相性が抜群です。

ローソファの下に木製パレットを置けば、それだけでインダストリアルなソファに早変わり。インダストリアルな雰囲気を作るだけでなく、適度な高さのソファになるため、今のソファの高さに満足していない方にもおすすめです。

木製パレットに足やキャスターを付ければ、手軽にインダストリアルなテーブルを作れます。パーツの色や素材感はインダストリアルを再現できるブラックやシルバーを選んで。木製パレットや各パーツなどの材料はホームセンターで揃うので、DIYを検討している方はチャレンジしてみてください。

ツーバイ材とディアウォールを使って壁面収納

ツーバイ材とディアウォールを使えば、インダストリアルな壁面収納を実現できます。ディアウォールとは、壁を傷つけずに木材を壁面に設置できるパーツです。ツーバイ材は、ホームセンターですぐに手に入る木材で、汎用性の高いものです。これを組み合わせれば、インダストリアル感満載の壁面収納を作れます。

必要に応じて金属部分はブラックやシルバー、ゴールドなどを選ぶと、インダストリアルならではの「重厚感」を得られます。ちなみに、使用する木材にペイントで「汚れたような雰囲気」を作ると、アンティーク感も増して、よりクールな印象になります。

壁面収納は非常に便利で、部屋の場所を取らない割に、収納力がバツグンです。物が少ないひとり暮らしでは、すべてが一カ所の壁面収納に収まってしまうなんてことも。ワンルームや1Kなどの狭い部屋でも、インダストリアルインテリアの散らからない部屋づくりができるためおすすめです。

インダストリアルインテリアを使ったおしゃれな実例

インダストリアルインテリアを使った、おしゃれな部屋の実例を紹介します。インダストリアルならではの、コーディネートや演出などに詳しく触れていきます。

キッチン

jjj14043さんのインスタグラムより

キッチンをインダストリアルインテリアに仕上げたいのなら、ステンレスキッチンがおすすめです。シルバーが基調となるステンレスキッチンは、無機質な雰囲気が漂い、直線的で洗練された印象になります。

ステンレスキッチンの無骨さにナチュラルさをプラスするには、棚や壁に木製素材を取り入れるのがおすすめです。シャープながらも、ログハウスのような温もりが感じられます。

ダイニング

ichi976.craftworksさんのインスタグラムより

インダストリアルなダイニングにしたいなら、テーブルやチェアはダークブラウンの木材×アイアンのアイテムがおすすめです。ダークブラウンの木材とアイアンの組み合わせは、インダストリアルの無骨さを演出してくれます。

チェアのクッション部分やランチョンマットなど細部までこだわり、ブラックなどダークカラーで統一すると、よりクールさが増したインダストリアルインテリアになります。

リビング

yokoyumyumさんのインスタグラムより

リビングをインダストリアルにするなら、レザーソファを選ぶと部屋全体が引き締まり、クールでスタイリッシュな空間を演出してくれます。他の家具ともコーディネートしやすいのでおすすめです。

ソファは大型家具で、空間の印象を左右するものです。ソファからインダストリアルインテリアに揃えていくことで、他の家具や小物も選びやすくなります。こちらの部屋では、壁面収納や天井のラック、ローテーブルにブラックアイアンを使っており、ブラックレザーのソファとの相性が抜群です。

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