低座椅子「グッドデザイン賞」 高齢者や妊婦、使いやすく 諫早のSEEDS開発 かに座PLUS

グッドデザイン賞に決まった「かに座PLUS」と山崎代表取締役(左)、森内亨一さん=諫早市、SEEDS

 長崎県諫早市目代町の障害児・者向け用具などの製造、販売業「SEEDS(シーズ)」の低座椅子「かに座PLUS(プラス)」が、日本デザイン振興会主催の2020年度グッドデザイン賞に輝いた。楽に立ち上がることができるデザインをはじめ、安定感のある半円形の手すりなどの機能性の高さが評価された。
 シーズは、ユニバーサルデザインの第一人者、光野有次さんが創設した「無限工房」から分社し、1996年に設立した。障害のある人の生活環境に合わせた車いすや椅子を製作。低座椅子やチャイルドシートも開発し、国内外で販売している。
 「かに座プラス」は、光野さんが考案した高齢者用の低座椅子「かに座」の後継商品。諫早市出身のデザイナー、五島史士さんが幼児や妊婦のいる家族にも使いやすいデザインに変更。椅子の横幅や手すりの長さ、クッションの硬さなど、顧客らの声を基に改良した。同市出身の伝統技術ディレクター、立川裕大さんが商品宣伝を助言している。
 「かに座」シリーズは、累計4万台を販売するロングセラー。シーズの山崎一雄代表取締役は「生活の中で困っていることや足りない機能を道具で補うという視点で作ってきた。(かに座プラスは)五島さんと立川さんの協力を得てオール諫早で作った商品」と話した。
 本年度のグッドデザイン賞は4769件を審査し、1395件が受賞。このうち本県からはかに座プラスを含む6件が受賞した。シーズ(電0957.22.6350)。

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