トランプ氏、経済対策巡る民主党との協議を停止 コロナの脅威軽視

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[ワシントン 6日 ロイター] - 新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領は退院から一夜明けた6日、民主党との新型コロナ経済対策を巡る協議を11月の米大統領選挙後まで停止すると発表したほか、コロナに関する誤った情報を拡散しているとしてフェイスブックやツイッターから批判を浴びるなど物議を醸した。

トランプ大統領は「大統領選が終わるまでコロナ対策を巡る協議を停止するよう指示した」とし、「私は大統領選での勝利後すぐに、勤勉な米労働者と中小企業に焦点を当てた大型の刺激策法案を通過させる」とツイッターに投稿した。

トランプ大統領の発言を受け、米株価は一時2%超下落した。

トランプ大統領はまた、民主党のペロシ下院議長が真摯に協議に臨んでいないと批判したほか、マコネル上院院内総務に対し、バレット最高裁判事候補の承認に注力するよう要請したと明らかにした。

大規模な追加対策に冷ややかな態度を示してきたマコネル氏は記者団に対し、トランプ氏の協議停止決定を支持すると表明。大統領は民主党との合意が成立しそうにないと考えているのだろうとし、「われわれは達成可能なことに注力する必要がある」と述べた。

トランプ氏は数日前には追加のコロナ対策を巡り迅速な行動を促していた。

一方、共和党のジョン・カトコ下院議員は、トランプ氏に決定を撤回するよう求め、「人々の命がかかっている。支援策の協議を停止している場合ではない」と述べた。

共和党のスーザン・コリンズ上院議員も、トランプ氏の決定は「大きな間違いだ」と指摘した。

ペロシ下院議長は、ホワイトハウスは「完全に混乱」しているとし、下院民主党議員らと電話協議を行い、トランプ氏が新型コロナの治療として投与を受けたステロイド薬が同氏の判断力を鈍らせた可能性に言及した。

電話協議の関係者によると、ペロシ氏は「ステロイドが思考に影響を与えるとの見解がある」と語った。

ペロシ下院議長とムニューシン財務長官はここ1週間ほどコロナ経済対策を巡る協議を続けており、ペロシ氏は4日、協議が「進展していると」述べていただけに、トランプ大統領の動きは驚きと受け取られた。

トランプ氏はまた、ソーシャルメディアへの投稿で、新型コロナの脅威を過小評価する主張を展開。国民の職場復帰を促し、大統領選を前に楽観ムードを演出しようとした。

「ワクチンがあっても、時に10万人を超える多くの人が毎年、インフルエンザで亡くなっている。しかし、われわれはインフルエンザと共に生きることを学んだため、米国を閉鎖することはない。同様に、コロナと共に生きることを学んでいる。コロナは大半の人にとってそれほど致死的ではない!!!」と、ツイッターとフェイスブックに投稿した。

ツイッター<TWTR.N>はトランプ氏の投稿に誤解を招く情報が含まれている恐れがあるとし、警告ラベルを表示。CNNによると、フェイスブック<FB.O>も、新型コロナの誤った情報に関する自社のポリシーに反するとしてトランプ氏の投稿を削除した。

民主党のクリス・マーフィー上院議員は「これはうそだ。インフルエンザの年間死者数は10万人ではない」とツイートした。米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も、新型コロナの脅威はインフルエンザとは「非常に異なる」と指摘した。

米国の新型コロナ感染による死者数は20万9000人超で、世界最多となっている。米政府の統計によると、米国のインフルエンザ死者数は年間2万2000─6万4000人。

新型コロナの脅威を重視しない姿勢を示してきたトランプ氏は先週、検査で陽性となり、5日まで入院していた。

トランプ氏の主治医は6日、同氏について、症状はなく「極めて良好な状態」にあるとの見解を示した。

トランプ氏はこの日、ツイッターへの投稿で、来週15日に予定されている民主党大統領候補のジョー・バイデン前副大統領との第2回テレビ討論会を楽しみにしていると述べ、「気分は良い」と明らかにした。

ただ、6日にトランプ氏の公務は予定されておらず、職務や選挙運動を全面再開する時期も明らかになっていない。公の場には姿を現しておらず、5日夜以降、新たなビデオも公開していない。

*内容を追加しました。