HIS、海外のファンドなどから最大約220億円を調達

エイチ・アイ・エス(HIS)は10月2日、海外のファンドなどから最大約220億円を調達する。

新株を発行することで約80億円、新株予約権の発行・行使で約146億円をそれぞれ調達する。香港のLong Corridor AssetManagementが運用するケイマン島の免税有限責任会社と、同じケイマン島の分離ポートフォリオM246 Segregated、創業者で代表取締役会長兼社長の澤田秀雄氏が、それぞれ引き受ける。

HISでは新型コロナウイルスの影響で、第3四半期の売上高は前年比71%減と壊滅的な打撃を受けており、連結純資産が前期末比20.6%減と急激に減少する事態に陥っているとしていることから、資産売却や資本増強など、財務基盤の健全化が喫緊の課題であるとしている。また、借り入れているシンジケートローンの財務制限条項には、(1)連結貸借対照表の純資産の部の金額を直前期の75%以上に維持すること、(2)連結損益計算書の経常損益を2期連続損失としないことが義務付けられていることから、抵触についても重要な課題としている。

調達した資金は、すでに契約済みの6軒の新規ホテルの建設や、航空券やホテル、アクティビティなどの商材を販売するプラットフォームの構築などのシステム投資に充てることを計画している。

週明け10月5日のHIS株は、前日比5円高の1,850円で取引を開始。一時は同103円安の1,742円まで売られたものの、同32円安の1,813円で取引を終えている。野村證券は、投資判断を「買い」から「中立」、目標株価を2,600円から1,800円に引き下げている。

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