コロナ禍でブーム!北海道でアウトドア活況

けいナビ

©テレビ北海道

今週のテーマは「アウトドア」。ここ数年、じわじわとキャンプの人気が高まっていたが、コロナ禍で“密”を避ける流れがブームに火をつけた。一時的なブームで終わるのか、またまた定着するのか。さまざまな取り組みを取材した。

活況なアウトドア市場

ことし4月にオープンした旗艦店

札幌にオープンしたアルペンアウトドアーズ。売り場面積1,000坪の、大型アウトドアショップだ。近年のアウトドアブームによる需要の増加を見込んで出店したが、オープンしたのはウイルスの感染が本格的に広がり始めた4月…。

店長の三岡広太さんは「新型コロナウイルスの影響で時間短縮など規模を縮小して営業していた。4月~5月の来場者は見込みをだいぶ下回ったが、緊急事態宣言があけてから盛りかえし、収支はトントン」と話す。

キャンプに100万円以上費やしたという客も

各メーカーの熱量も高まっている。客は、初心者から、すでに100万円以上キャンプに費やしているという人までさまざまだ。「“密”を避け、近場で楽しみたい」という声が多く聞かれた。

北海道に新しいキャンプ場が続々誕生

札幌・西区のワンダーランドサッポロ。元々は釣り堀やバギー、サバイバルゲームなど、屋外レジャーが楽しめる施設。この4月に、急きょ、キャンプ場を新設。笹や木が生い茂るバギーコースと畑の一部を整備して、13区画のキャンプサイトを作った。

藤光慎一代表は「客から要望があり、5~6年前から準備はしていたが、今回がいいきっかけとなった」と話す。ワンダーランドサッポロでは、夏場は国内の団体客、冬場は雪遊びを求めるインバウンドの客が売り上げのほとんどを占める。コロナ禍ではその両方の収入が絶たれるとして、近郊から個人客を呼べるキャンプ場の整備へ、迅速に舵を切った。

札幌中心部から車で30分以内という立地の良さもあり、これまでに約60組が宿泊した。外国人観光客の戻りは当面見込めないものの、今月は大阪からの修学旅行の予約が3組入るなど、ゆっくりと客足は戻りつつあるという。藤光代表は「以前はバギーの客はバギー、釣りは釣りと、交わることがなかった。キャンプをやることで新たにサバゲーを始めたり、四輪バギーをやってくれたりと、相乗効果が生まれている」と話す。

キャンプで街おこし目指す室蘭市

室蘭・だんパラ公園で先月初めて開かれた「ムロランワンパク」。自然を楽しむ催し、いわばアウトドアフェスだ。

企画したのは、室蘭市と市民有志が作る実行委員会。指揮を執るのは、実行委員長で地域おこし協力隊の佐藤大輔さん。海と山が隣接する室蘭の豊かな自然環境は、街の新たな魅力になるはずと、市も期待を寄せている。イベントでは公園内の広場をキャンプ場として特別に開放し、普段キャンプ場として営業している林には、企業の協力を得てさまざまなアウトドアの体験コーナーを設置した。

ベルト状のラインを歩いたり飛んだりする「スラックライン」

企画は去年から構想していたが、コロナ禍で人を集める大型イベントを開くことには、葛藤もあった。しかし、スタートアップのイベントだからこそ出来ることもあるのではと、万全の対策をとり、開催を決断。除菌スプレーや手洗い設備の充実はもちろん、来場者にはフェイスシールドを配布。食事はスマホで注文を受け、テークアウトの準備ができたらアプリ上で呼び出しをかける、独自の方式を採用した。

注文の用意ができると、アプリで客を呼び出す仕組み

コロナ禍でアウトドア需要が増す中、室蘭の自然は新たな魅力になる。参加する企業も、街のポテンシャルを評価している。秀岳荘の森山俊さんは「このキャンプ場はとても素晴らしいロケーションにあり、眺めがいいですよね。海のほうへ行けば釣りもできるし、カヤックも出来る。裏に回れば野鳥のハヤブサがいるという、すごくいろんな魅力が詰まったところなので。こういったイベントはすごく意義深い」と話す。

受け入れ人数に制限を設けていたこともあり、ことしの利益はゼロ。ただ、Withコロナでの大型イベントを無事終え、アウトドアという街の新たな魅力の発掘に、手ごたえは十分だ。

グランピングを企業や商品のPRに

新ひだか町でエゾシカ由来の漢方素材を製造する鹿美健(ろくびけん)。北海道で駆除されたエゾシカの角や皮、骨を使って、“ロクキョウ”という生薬を作っている。

鄭権社長は「エゾシカの皮と骨は、ほとんど捨てられている。これは北海道の大変貴重な資源で、宝の持ち腐れという状態」と話す。

工場は、廃校を再利用したもので、町の廃校利活用事業の第1号だ。その工場に隣接した土地で新たに始める事業が、グランピング。敷地には、ドーム型のテントを9つ設置。緑や星空を眺めながらくつろげる空間を整え、来年の春に本格稼働する計画だ。そしてグランピング事業にも、エゾシカが活用できると見込んでいる。

町で駆除した鹿肉を宿泊者限定で提供。新鮮で臭みのない良質なジビエを食べてもらうことで、捨てられてしまう鹿肉の消費拡大を狙う。新鮮な鹿肉のおいしさにファンが付けば、観光需要の創出も図れると期待を寄せている。

鄭社長は「グランピング事業を通して新ひだか町に遊びに来てもらえれば、地域の活性化につながる。収益があったほうがいいが、グランピングを収益の柱とは考えていない。目指したいのはエゾシカの廃棄ゼロ。長い道のりになるが、一歩一歩着実に前進していきたい」と話す。

コロナ禍で広がっているアウトドア。ブームを契機に、新たな魅力が見つかりそうだ。
(2020年10月10日放送 テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)
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