川辺川ダムあればピーク流量35%減 球磨川豪雨検証委

 国土交通省と熊本県は6日、7月の球磨川流域の豪雨被害を検証する委員会を熊本県庁で開き、支流に川辺川ダムがあった場合、人吉地区のピーク時の流量は、今回の洪水の推定毎秒約7400トンから約4800トンに約35%低減されたとする検証結果を示した。
 検証では、川辺川ダム建設中止後に検討された堤防かさ上げや遊水地などを組み合わせた治水対策よりも低減効果は大きいと指摘。人吉地区は約1.9メートル水位が低下し、浸水面積は約6割減ると推定した。一方、計画高水流量(毎秒約4千トン)は上回るため、「現行の川辺川ダム計画だけで全ての被害を防ぐことはできなかった」と結論づけた。
 蒲島郁夫知事は、年内の早い時期に治水対策の方向性を決める考えを示し、「全ての選択肢を排除しない」と話した。

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