インフルワクチン無料接種 長崎国際大 全学生2300人に

 佐世保市の長崎国際大(安東由喜雄学長)は、全学生にインフルエンザワクチンを無料で接種する方針を決めた。冬のインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行が懸念される中、学生支援の一環として実施。教職員の寄付金を活用し、学生への食料配布にも充てる。
 同大には学生計約2300人が在籍。新型コロナの感染拡大以降、飲食店などで働く学生のアルバイトが少なくなったり、保護者の家計が悪化したりする状況が続いていた。そこで、学生支援に取り組むための費用を募ろうと、安東学長らが教職員に寄付への協力を呼び掛けたところ、約950万円が集まった。
 金銭的余裕がない学生の安心安全を守ろうと、予防接種に寄付金を充てることを決定。安東学長をはじめ医師免許を持つ同大の関係者らが今月末から学内で接種を行えるよう準備している。これ以外にも、米や缶詰などの食料を無料で学生に配布する「フードパントリー」に活用する予定という。
 同大では4月以降、学内に新型コロナの検査所や地域住民らも利用できる診療所の設置を進めてきた。安東学長は「命あっての学生生活。誰かが苦しむときに手を差し伸べる精神を学ぶ機会にもなる。他の大学でも取り組みが広がり、救われる学生を増やすきっかけにしたい」と話した。

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