どうなる奪三振王争い 4年連続の巨人勢を止める中日左腕、パは若きエースが盤石か?

オリックス・山本由伸(左)と中日・大野雄大【写真:荒川祐史】

パ・リーグはオリックスの山本が頭一つ抜ける132奪三振をマーク

シーズンも終盤に差し掛かりペナント争いに注目が集まるが、もう一つの注目は個人タイトルだろう。ここでは“力と力の勝負”でファンを沸かせ、球界を代表する投手が手にしてきたセ・パの奪三振王にスポットを当てる。

以下は現在の奪三振数。まずはパ・リーグ

オリックス 山本由伸 16試合、111回2/3 132奪三振 奪三振率10.64
ソフトバンク 千賀滉大 14試合、92回2/3 113奪三振 奪三振率10.97
楽天 涌井秀章 16試合 100回 95奪三振 奪三振率8.07
日本ハム 上沢直之 13試合 86回 84奪三振 奪三振率8.79

オリックスの山本が頭一つ抜け、2位のソフトバンク千賀に19個の差をつけトップを走っている。試合数、イニングの違いはあるが奪三振率は千賀がやや上回っている。山本、千賀はこのまま中6日で回ればと残り4試合に登板が可能だ。

山本は直近の5試合でも全て7イニング以上を投げ平均9.6奪三振をマーク。一方、千賀は前回登板の6日・西武戦では6回で降板となったが平均7.4イニングを挙げ平均10.2奪三振と2年連続の奪三振王のタイトルに向け猛チャージ。だが、試合数が同じで山本の勢いが止まらない限り、山本が初の奪三振王のタイトルを獲得することが濃厚だろう。

セ・リーグはタフネス左腕の中日大野雄が121奪三振と一歩リードか?

続いてセ・リーグ。

中日 大野雄大 16試合、117回2/3 121奪三振 奪三振率9.25
巨人 菅野智之 16試合、114回1/3 108奪三振 奪三振率8.50
広島 森下暢仁 14試合、92回2/3 96奪三振 奪三振率9.32
阪神 西勇輝 16試合、116回 89奪三振 奪三振率6.91

パ・リーグに比べ激しい争いを続けているのがセ・リーグ。中日の大野雄が115奪三振でトップだが2位の巨人・菅野が13個差で追う展開。96奪三振で3位の広島・森下も奪三振率はリーグトップの9.32をマークしており今後の登板次第では面白い争いになってくる。

ただ、直近5試合で3完投と1試合を投げ抜くタフさとリーグ2位の奪三振率9.25をマークしている大野雄が有利か。中6日で回れば残り5試合に登板が可能でライバルの菅野は残り4試合、森下は残り5試合。一概には言えないが三振を奪える可能性の高く“長いイニング”を消化できる大野雄が自身初の奪三振王のタイトルを手にする可能性が高い。

ちなみにパ・リーグでオリックスの山本が獲得すれば自身初、球団では2013年に200奪三振をマークした金子千尋(現日本ハム)以来、7年ぶり。セ・リーグで大野雄が獲得すれば2006年194奪三振をマークした川上憲伸以来、14年ぶりとなる。

○過去5年のセ・パ奪三振王(奪三振数)

2015年 阪神 藤浪晋太郎(221) 楽天 則本昂大(215)
2016年 巨人 菅野智之(189) 楽天 則本昂大(216)
2017年 巨人 マイコラス(187) 楽天 則本昂大(222)
2018年 巨人 菅野智之(200) 楽天 則本昂大(187)
2019年 巨人 山口俊(188) ソフトバンク 千賀滉大(227)(Full-Count編集部)

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