マツダが新型SUV「MX-30」の価格・グレードを発表! 気になるEVモデルの行方は!?

CX-5やCX-30など、昨今のマツダらしさ全開のデザインで絶大なる支持を集めているマツダのSUV群だが、今回デビューしたMX-30はこれまでのイメージを一新するクーペSUVだ。MX-30は当初、EV(電気自動車)としてデビューする予定であったが、まず投入されるのはマイルドハイブリッドモデル。これが絶妙な価格設定で早くも人気が出そうな予感だ。発売が開始された本日2020年10月8日から、3日間連続でMX-30の特徴をご紹介! 初日のテーマはMX-30の価格と買いグレードだ。

マツダ MX-30

超バーゲンプライス! だが、実際は……

マツダ RX-8以来の観音開きドアを採用し、MX-30のそれはフリースタイルドアを名付けられている。センターピラーがリヤドアに内蔵されているため、開閉時は少々思いが荷物の出し入れや乗り降りは案外スムースであった

RX-8以来の観音開きドアを採用しながらもファミリー層でも使いやすくデザインされているだけでなく、国内初投入となるマイルドハイブリッドを採用するなど、MX-30はかなりの力作である事は間違いない。

だが、意外なほどにリーズナブルな価格設定となっている点に注目したい。

MAZDA3がベースのCX-30のクーペモデルという位置付けだ。価格も蓋を開けてみるとそれほど差はない

ちなみにマツダ MX-30はモノグレードで、2WDは242万円、4WDは265万6500円(どちらも税込み)と、CX-30の最廉価モデルである20Sと2万7500円しか差が無いのである。

自由にセレクトできるのはイイけど……結局既存モデル並みの価格に

CX-30は運転席側にオフセットしたデザインであったが、MX-30は水平基調となっているのが最大の違い。センターモニターやメーター類は同じだが、エアコンパネルはマツダ初のタッチパネル式となっている。運転中でも視線移動せずに操作ができるよう、左右に必要最低限の物理ボタンを残しているのはマツダらしいところ

だが実際には、標準モデルでは装備内容的にかなり寂しい。ステアリングとシフトノブはウレタンで、自動防眩ルームミラーやヒーテッドドアミラーも備わらないのだ。

ベーシックパッケージを装着しなければ、他のパッケージオプションがつけられないのがポイントだ。逆にそれさえ選べば選択肢は無限大というイメージだ

なので、まず基本となるレザーステアリングなどが備わるベーシックパッケージ(7万7000円)を選ぶ。コレを選択しないと、他のパッケージオプションが選べないのだ。

そして右直事故回避アシスト機能や前側方接近車両検知(FCTA)などが追加されるセーフティパッケージ(12万1000円)や、自動防眩ミラーや前席シートヒーター、運転席10Wayパワーシートなどが備わるユーティリティパッケージ(8万8000円)、360°ビューモニターとドライバー・モニタリングがセットの360°セーフティパッケージ(8万6880円)などを追加すると、すぐに約40万円も上乗せされることになる。

3トーンカラーを3種類、モノトーンを4種類と計7種のボディーカラーをラインアップ

さらに、エクステリアとインテリアのパッケージであるインダストリアルクラシックパッケージまたはモダンコンフィデンスパッケージ(各11万円)や12スピーカーのボーズサウンドシステム(7万7000円)、ナビゲーションを使用するためのSDカード(5万3899円)などを追加すると、300万円オーバーとかなりの金額となる。実質的にはCX-30と価格的に大きな違いはないと考えた方が良さそうである。

ヨーロッパの売り方で成功なるか?! EVモデルの行方とは?

既存の2リッタースカイアクティブGにモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドモデルで、WLTCモードは15.6km/Lをマークする

ヨーロッパでは、販売される新車の平均CO2排出量の目標値が、2021年に95g/kmとなり、これを超えると1g/kmあたり95ユーロの罰金が課されるという事情があるため、EVモデルも先行して導入されている。

日本にも来春にはEVモデルが導入される見通しだが、実際には今回のマイルドハイブリッドが販売の中心になるのは間違いない。

エントリー価格を抑え、パッケージオプションで好みの仕様に仕立てるという商品戦略も、ヨーロッパで売りやすくするために導入した手法を日本にも持ち込んだものと言えそうだ。また「最近のマツダ車は高い」と感じている消費者に対して、買い得感をアピールする目的もあるだろう。

EVモデルにはロータリーエンジン搭載!?

当面はマイルドハイブリッドが中心と書いたが、このあと登場する予定のEV版には、隠し玉としてロータリーエンジンのレンジエクステンダーを搭載したモデルが設定される見込みだ。“ロータリーエンジン”の響きはマツダファンのみならず、グッとくるものがある。とくに日本では大きな注目を集めるはずだ。

EVモデルの導入は2021年春頃の見込み

「マツダのロータリー」というだけでなく、小型軽量で振動が少ないロータリーエンジンは、レンジエクステンダーとして大きな可能性を秘めているだけに、大いに注目である。今後もマツダの動きからは目が離せない。

本日は買いグレードとEVモデルの行方をご紹介したが、明日2020年10月9日はMX-30の内外装デザインを徹底解説。観音開きドアを採用した理由なども暴露予定!

【筆者:竹花 寿実】

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