なぜオンラインサロン開設? 侍Jコーチ井端氏が語る“令和のファンサービス”

侍ジャパントップチームのコーチを務める井端弘和氏【写真:荒川祐史】

メディアでの解説やYouTube配信も「どうしても配信側の一方通行になる」

中日や巨人で活躍し、侍ジャパントップチームの内野守備走塁コーチを務める井端弘和氏が、会員制コミュニティのオンラインサロン「野球の極意」を開設する。メディアなどでの解説や自身のYouTubeチャンネルで積極的に情報発信をする中で、なぜオンラインサロンなのか――。そこには野球人としての信念があるという。

オンラインサロンは、会費を払った人のみが参加できるWeb上のコミュニティで、参加者それぞれが学びを得たり、趣味の情報を共有したりできるのが魅力になっている。実業家の堀江貴文氏やお笑いコンビ・キングコングの西野亮廣氏ら人気のオンラインサロンも多いが、元プロ野球選手が開設するのはそこまで多くない。

井端氏は新聞やテレビで解説者として活動するだけでなく、YouTube公式チャンネルの「イバTV」も開設。中日黄金期に「アライバ」として鉄壁の二遊間を組んだ荒木雅博・現中日内野守備走塁コーチと共演するなど、自身の感覚や考えを伝えてきた。その中で、人を絞ったコミュニティをあえて作った理由をこう語る。

「YouTubeではどうしても配信側の一方通行になってしまい、なかなかユーザーの意見や要望を取り入れることかできない。オンラインでは、そこを組み入れていくのが大前提。少年野球から高校、大学、社会人までの指導についてや、野球の素朴な疑問まで僕が培った知識を直にユーザーに届ける機会にしたい」

語りっぱなしではいけない。直接疑問を受け、真摯に答える。逆に、自分が発した言葉にどんな反応が返ってくるのか。“双方向”こそ令和の時代のファンサービスのあり方だと考える。さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響で直接交流できる機会が減る中で、導き出したのがオンラインサロンだった。

月に1度、オンライン上でファンとの交流会を開催。選手や親、指導者らからの質問に答ええるだけでなく、現役時代の裏話など極力会員の希望に沿って展開する。さらに試合の“リアルタイム解説”なども企画しているという。それとは別に週に1度、井端氏が考える「野球論」を発信していく。(Full-Count編集部)

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