【座間9人殺害】被害者に失踪宣告書書かせる 「捜査防げると思った」と被告 

切断遺体が見つかった座間市のアパート

 「警察への(行方不明者の)届け出を不受理にさせるのが目的だった」ー。東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で開かれた座間9人殺害事件の裁判員裁判で、強盗強制性交殺人などの罪に問われた無職白石隆浩被告(29)は8日、裁判官らの質問に答え、最初の被害者である厚木市の女性会社員の自宅から見つかった「失踪宣告書」と記された書き置きについて、自身の関与を認めた。

 書き置きは2017年8月25日、連絡がとれなくなり心配した家族が女性の部屋で発見。「自殺はしません」「戻ってくる」とつづられていた。

 「私が言い出して(被害者)本人に書かせた」と告白した被告は、会員制交流サイト(SNS)で積極的にいろいろな人とメッセージをやりとりするように指示もしていたといい、「自分といた痕跡が分からなくなる」「痕跡がなければ捜査機関が自分にたどり着くのを防げると思った」と思惑を明かした。

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