ボートレース界のレジェンド「今村豊」が引退…坂上忍もエールを

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10月8日、ボートレース界の「レジェンド」と呼ばれた今村豊が、現役引退を発表。1981年のデビュー以来、39年6カ月の選手人生に幕を引いた。

1981年5月、徳山のデビュー戦でいきなり1着を飾り、11カ月後には、G1初優勝。「全速ターン」と呼ばれる技術を駆使し、「コーナーではスピードを落とす」というボートレース界の常識を塗り替えた。

選手人生で通算優勝は142回。通算獲得賞金は、歴代2位となる29億4144万6172円にのぼる。

引退理由は、レーサーに課せられる最低体重の変更だという。

「最低体重が51kgとなってから、体調管理で苦労してまいりました。11月からは、最低体重が52kgに変更されます。限界を感じ、9月の徳山記念レースを最後にしようと考えました。

デビューを徳山のレース場で迎え、引退も徳山。本当に私は幸せ者だと思います。昭和56年にデビューし、本日までケガなくやってこれた。振り返ると、本当にいいボートレース人生でした」

会見では、今村のファンを公言するタレント・坂上忍がビデオメッセージを寄せた。

「僕がボートレースのファンになったのは、多摩川競艇場で今村選手がツケマイ(まくりの一種)で彦坂(郁雄)選手をつぶしたレースを見て、とんでもない人がいると思って。それから、もう30数年です。ずっと今村選手を追いかけ続けてきました。今でもそうです。

本当に一ファンですけど、これまでありがとうございました。いい夢をたくさん見させていただきましたし、たくさん損もしました(笑)。それもこれも、すべていい思い出となっております。ずっとずっと応援しております。頑張ってください」

メッセージを見た今村も、「初めてお会いしたのは、福岡だったかな。ずっとファンでいてくれてありがたい。時の人ですから、私のファンでいいんだろうかなんて思いますけど。坂上さんもこれからテレビで活躍してほしいなと思います」と笑顔を見せた。

現役生活で貫いたことは、「人にぶつかっていかない。意識的に手をぶつけるとか、勝つために手段を選ばず、ということはしない。それだけはこの39年6カ月、貫き通せたかなと思います」と語った。

現在59歳だが、30代半ばでめまいや難聴、耳鳴りといった症状が出るメニエール病を発症。

「やっぱり、発作が出てしまうとレースができず欠場してしまう。(欠場の)回数が増すにつれて、関係者の方々に迷惑をかけている気持ちになり、引退を考えたことはありました。でも、なんとか踏みとどまって、もうちょっと頑張ろうと思えた。ここまで来れて、本当によかったです」

「やり残したことは」という質問には、「あったら、たぶんやめてないと思います。本当に満足感でいっぱいです」と、晴れ晴れとした表情で語った。「ボートレースは私の人生そのものです」と告げ、会場を後にした。