今オフのクオリファイング・オファーは年俸1890万ドル

「ジ・アスレチック」のエバン・ドレリッチによると、メジャーリーグ機構は今オフのクオリファイング・オファーの金額を年俸1890万ドル(約20億円)に決定したようだ。同オファーの金額は年俸上位125選手の平均によって定められる。昨オフの1780万ドルから110万ドルのアップとなった。

現行の労使協定では、同一の選手は1度しかクオリファイング・オファーを受けないことになっている。よって、2014年オフにオリオールズから同オファーを受けたネルソン・クルーズ(ツインズ)、2016年オフにドジャースから同オファーを受けたジャスティン・ターナー(ドジャース)、昨年オフにカージナルスから同オファーを受けたマーセル・オズーナ(ブレーブス)らは今オフ、同オファーを受けることはない。

今オフはJ・T・リアルミュート(フィリーズ)、トレバー・バウアー(レッズ)、ジョージ・スプリンガー(アストロズ)、DJ・レメイヒュー(ヤンキース)といったスター選手がフリーエージェントとなるが、これらの選手がクオリファイング・オファーを受けるのは確実。彼らは同オファーを拒否したうえで市場に出ることになるだろう。

フリーエージェント選手の流出によりドラフト指名権の保証を得るためには、フリーエージェント選手にクオリファイング・オファーを提示しておく必要があるが、同オファーを受諾される可能性もある(その場合は自動的に1年契約となる)。今季はコロナ禍でのシーズン開催となり、財政状況に不安を抱えている球団も多いため、年俸1890万ドルに値するか微妙なラインの選手に同オファーを提示することを躊躇する球団が現れることが予想されている。

よって、マーカス・セミエン(アスレチックス)、ケビン・ゴーズマン(ジャイアンツ)、マーカス・ストローマン(メッツ)、アンドレルトン・シモンズ(エンゼルス)、ディディ・グレゴリアス(フィリーズ)といった「当落線上」の選手たちは、クオリファイング・オファーを提示されずに市場へ出ていくことになりそうだ。

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