F1アイフェルGP木曜会見:ガスリー、ホンダの活動終了を悲しむも「彼らが正しい決定を下したと思いたい」

 ホンダの衝撃の発表から1週間。第11戦アイフェルGPの舞台となったニュルブルクリンクでも、ホンダのF1活動終了の話題は会見で採り上げられていた。

 まずレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは「残念だけど、ホンダの立場を考えれば、理解はできる」と落ち着いてコメントした。

 フェルスタッペンは今年の1月にレッドブルと2023年まで契約を延長したばかり。今回のホンダの決定によって、フェルスタッペンとレッドブルの契約に何か影響はあるのだろうか。フェルスタッペンはこう続ける。

「確かにホンダが決定する前に、僕は(レッドブルとの)契約にサインしている。でも、僕がサインした時点でホンダはまだ2022年以降もF1にとどまるという契約をレッドブルと結んでいなかったから、もちろんこうなることも予測していた」

 まるで、ホンダが2021年限りでF1活動を終了することを予期していたかのような発言だ。さらにこう続ける。

「だって、今年このような状況に世界中が陥ったんだから、何が起きても不思議じゃないという思いは今シーズンの初めから抱いていたよ」

 そして、こんな意味深な発言も。

「それはチームにとっても同じ。チームと長期契約していても、5年後にそのチームがどうなっているかなんて、誰にもわからないからね」

 それはまるで、レッドブルでさえ、2022年以降どうなっているのかわからないということなのだろうか。

「いや、僕が言いたのは、先のことを考えすぎるなというとこと。それよりも、ホンダと来年いっぱい仕事することは変わりないのだから、いまはそのことに集中するだけ。彼らとはとてもいい関係を築いており、彼らも最後まで全力で戦うと言ってくれているのだから、僕はプッシュし続けるよ。その後のことはそのとき考えればいい。2022年は新しいレギュレーションで戦うわけだから、わからないことがまだたくさんある。それについて、いまからあれこれ考えても仕方がない」

2020年F1第11戦アイフェルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 次に現在ホンダのパワーユニットを走らせている4人のF1ドライバーのなかで、最も長くホンダと仕事しているピエール・ガスリーだ。

「ホンダとは、スーパーフォーミュラ時代から、いい思い出しかない。彼らの仕事に対する取り組みは真摯で、目標を達成するまで本当に一生懸命仕事する。彼らが昨年優勝したのも、それが結実したからだし、今年はレッドブルだけでなく、アルファタウリも素晴らしい成績を残すことができた。だから、今回のニュースは正直悲しい」

 しかし、ホンダが下した企業としての判断を尊重するとガスリーは言う。

「だから、今回の決定に失望はしていない。彼らのことを信じているからね。彼らは彼らのために、正しい決定を下したと思いたい」

 そして、ホンダとの最後のシーズンとなる2021年を最高の結果で締め括りたいと語った。

「彼らがF1を去る前に、タイトルを獲得できるよう、僕たちも貢献したい」

2020年F1第8戦イタリアGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が初勝利をチームと祝う
2020年F1第10戦ロシアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が2位を獲得
2020年F1第5戦70周年記念GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が今シーズン初優勝

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