KDDI・MoT他3社、西新宿エリアで5Gを活用した自動運転タクシーの実証実験を開始

東京都の西新宿エリアは、オフィスだけでなく美術館・ホテル・飲食店・大学・病院・住宅などの様々な形態の施設が存在し、直近では新宿中央公園が新たな交流拠点として整備されるなど、多様な目的で幅広い世代の人々が集まる街になっている。一方で、広幅員道路・歩車分離の構造により歩行者の街区間移動がしづらく、また、土地の高低差を利用した道路が立体的に交差するため上下の移動が多く、高齢者や障害者などに負担になっているほか、慣れない来街者には目的地までの経路がわかりにくい構造になっているなどの課題を抱えている。株式会社ティアフォー、株式会社Mobility Technologies(以下、MoT)、損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)、KDDI株式会社、アイサンテクノロジー株式会社の5社は、将来の自動運転タクシーの事業化に向けて2019年11月から協力体制を構築、これまでフェーズIの取組みとして、人に優しいユニバーサルデザイン仕様のJPN TAXI車両に自動運転システムを導入し、公道で安心・安全な実証実験をするための準備を進めてきた。他方、一般社団法人新宿副都心エリア環境改善委員会(以下、環境改善委員会)は、東京都とも連携した官民連携によるまちづくりを進めており、2020年9月にはデジタル技術による地域の課題解決を図るため、スマートシティ・タスクフォースを立ち上げた。そしてこのほど、ティアフォー、MoT、損保ジャパン、KDDI、アイサンテクノロジーの5社は、環境改善委員会と「西新宿地区のスマートシティ化推進に向けた連携協定」を締結し、環境改善委員会による次世代モビリティ実証実験企画において5Gを活用し、自動運転システムを導入したJPN TAXI車両を公道走行させるサービス実証を2020年11月5日~11月8日まで西新宿エリアで実施する。また、荏原交通株式会社、帝都自動車交通株式会社、日本交通株式会社、日の丸交通株式会社の4社は交通事業者として実証実験にオブザーブ参加し、自動運転技術を活用したビジネスモデルの構築等に関するアドバイスを行う。同実証実験は、11月5日に運転席無人の遠隔型自動走行(主に5G通信)とドライバーが乗車する非遠隔型自動走行(主にLTE通信)、11月6日~8日にドライバーが乗車する非遠隔型自動走行(5G通信およびLTE通信の混合)をそれぞれ下記ルートにて実施する。

11月5日の実施ルート

11月6日~8日の実施ルートなお、同実証実験における各社の役割は以下の通り。

1. ティアフォー

    • オープンソースの自動運転オペレーションシステム「Autoware」を活用した自動運転タクシー車両の開発
    • 配車・遠隔監視などの運行管理システムの開発(車両側)
    • 自動運転車両オペレーターの育成

2. MoT

    • 自動運転車両を活用したサービス展開(エンドユーザー向けマーケティング、配車アプリ開発等)
    • 配車・遠隔監視などの運行管理システムの開発(バックエンド・アプリ側)
    • サービスオペレーションセンターの体制構築

3. 損保ジャパン

    • 自動運転タクシー運行にかかるリスクアセスメント
    • 遠隔ドライバー・自動運転車両オペレーター用設備であるコネクテッドサポートセンターの活用
    • 自動運転車両向け保険の提供

4. KDDI

    • 自動運転向け通信基盤(5G、LTE、固定回線等)の提供(通信基盤の検討の一部は株式会社KDDI総合研究所が担当)
    • 配車アプリと連携したマルチモーダルプラットフォームによるサービス展開
    • 配車・遠隔監視などの運行管理システムの開発

5. アイサンテクノロジー

    • 自動運転タクシー用の3次元地図の提供

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