選別ラインにAI導入 黒谷

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■スクラップの品質向上

 黒谷は、非鉄金属のスクラップを生産する本社工場(射水市奈呉の江・新湊)の選別ラインにAI(人工知能)の導入を進める。廃棄物の選別作業の自動化を加速させ、品質アップと省力化につなげる。

 同社は回収した廃棄物を選別し、銅やアルミのスクラップを製造。販売先で電線や半導体の基板などの材料として使用されている。選別工程の一部は目視や手作業に頼っており、AIの導入で選別の精度と効率を高める。

 同社によると、自動車の電動化や情報機器の高度化に伴い、選別の対象になる廃棄物の構成が大きく変化することが見込まれている。人の経験だけに頼らない選別技術を確立し、市場ニーズに対応した質の高いスクラップを供給していく。

■銅高騰で黒字転換

 黒谷が9日発表した2020年8月期の連結決算は、世界経済の減速でインゴットとスクラップの販売が伸び悩み、減収だった。一方、新型コロナウイルスによる供給懸念から銅価格が高騰した影響で、在庫の評価益や販売利ざやが拡大し、黒字転換した。

 非鉄金属事業の売上高は前年比15.6%減の424億4400万円。インゴットが10.2%減の143億3900万円、スクラップが18.0%減の279億9600万円だった。美術工芸事業の売上高は新型コロナによる百貨店などの休業が響き、24.3%減の3億800万円だった。

 期末配当は7円50銭とし、中間と合わせ年15円とする。21年8月期は減収減益を予想し、配当は年15円を据え置く。

■まだ波乱ある

 1年で黒字回復を果たしたものの、黒谷の黒谷純久社長は「まだ波乱はある」と、新型コロナのリスクを抱えた世界経済の先行きに警戒感を示した。

 黒字化は銅相場がプラスに働いたためで、販売は決して好調ではない。「金融市場は堅調だが、各国の経済政策によるところが大きく、実体経済とはかけ離れている」と述べ、感染再拡大や米大統領選の影響を注視する必要があるとした。

■黒谷暁氏に代表権

 黒谷は9日、取締役社長室長の黒谷暁(さとる)氏(31)を代表権のある専務に昇格する人事を発表した。黒谷純久社長の長男で、将来のトップ交代を見据える。11月26日の株主総会、取締役会で決定する。井上亮一副社長を含め、代表取締役は3人体制とする。

 暁氏は富山市出身。米イースタンコネチカット州立大を卒業後、2012年に入社した。

 ▽常務(取締役)美術工芸部長浦田伊希子▽取締役 非鉄営業部長栄森貞治=以上11月26日

黒谷純久社長