【東京さんぽ】緑とアート、ときどきスイーツをめぐる「立川」さんぽ

予算はひとり5,000円。1日その街を楽しみ尽くす「東京さんぽ」。今回は「立川(たちかわ)」にやってきました。東京都西部・多摩地区最大の都市ですが、駅前からちょっと歩けば「国営昭和記念公園」のほかにも癒やしの公園がたくさん。展望とアートを楽しめる無料のスポットもできて、街と自然が一体となっています。コロナ渦中、人混みをさけるために早朝出発。今日はどんな出会いがあるのか期待を抱きつつ、立川の朝散歩に行ってみました。

8:30、立川駅に到着!まず朝ごパンをゲット(パン575円)

新宿からJR中央線で30分ほど。中央特快だと乗車時間はなんと23分!今回私は、自宅最寄り駅の「荻窪」から出発です。

30分ほど電車に揺られて到着した「立川駅」。駅直結の「エキュート立川」には、飲食店、書店、ドラッグストアなどのお店が、2階の改札内と改札を出た1〜3階に73店舗も入っています。

2階の改札内は「エキナカWEST・EAST」と分かれていて、今回「WEST」側の改札に出ました。スーパー、書店、ドラッグストア、飲食店など13店舗が入っている中で、国分寺生まれのスコーン屋さん「ラ・ブランジュリ・キィニョン」を発見!急いで改札をでなくて良かった。朝ごパンの購入はここで決定です!

営業時間は、毎日7時~22時(日祝は7時~21時)と早くから開店していて、イートイン席はワンドリンクオーダーで利用できます。

生クリーム仕立てが特徴のスコーン。定番のプレーン、人気No.1のメープル、No.2のマーブル、栗とチョコ、ピーナツバター、パイン黒糖、紅茶、カカオ豆とオレンジピールのスコーンと8種類。パンも、カレーパン、チーズパン、あんパンなどと、どんどん焼き上がって朝から盛り上がるラインナップ!100円台〜とお求めやすいお値段に、ついついたくさん買いたくなります!

今回は「マーブルスコーン」「安納芋バター」「十勝の粒あんぱん」をテイクアウトして、いよいよ散歩の始まりです!

ちなみに、エキナカのWEST(水色エリア)・EAST(ピンクエリア)は改札内ですが、同じエリアで繋がっていないのでご注意ください。

エキナカのWESTで早朝7時からオープンしているのは、ハンドドリップのコーヒーカフェ「ドリップマニア」、武蔵野うどん専門店「こぶし」、ワンタン専門店「雲呑好(ワンタンハオ)、「かにチャーハンの店」。

エキナカEASTは、手作りベーカリー「HOKUO(ホクオウ)」、おにぎりと駅弁の「穂まれや」、焼きそば専門店「長田本庄軒」。

改札外(黄緑エリア)は、ベーカリーカフェ「ANTENDO(アンテンドゥ)」、カフェを併設した「サンドイッチハウス メルヘン」、3階は「スターバックスコーヒー」と、朝から多く開店しています。

このほかにも飲食店はまだまだあり、店舗によって9時から10時からと続々オープンしています。電車を降りる前に、どこで朝ごはんにするかチェックしておくのをおすすめします!

8:45、立川駅北口から散歩スタート(0円)

曇り空のこの日。まず、駅の地図で周辺を確認します。地図を持たない主義なので、街頭の地図や標識をたよりに、気になるほうへ歩くのが私流です。

立川駅には、多摩モノレールも乗り入れて「立川北駅」と「立川南駅」が隣接しています。ISETANなど商業施設が並ぶ立川駅北口からスタートして、今回はこの「多摩モノレール」を目印に、高架下を歩いてみることにしました。

高架下は緑が多く広々として絶好の散策路。10分ほど歩くと、立川の新スポット「GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)」が見えてきます。

多摩地区最大規模のホール、ホテル、オフィス、カフェ、レストラン、ショップなどが一体となった複合施設で、2020年4月オープン予定が、新型コロナウイルスの影響で延期して、6月から続々と店舗がオープンしています。

この時間はお店もまだ開いておらず静かで、同じように散歩をしている人がちらほらと。この朝の静かな黙々とした空間、好きですね。あとでまた寄ろうと思います。

少し先には「IKEA立川」、お向かいには「たちかわ中央公園」があり、お仕事前にベンチで一休みの方も。

9:15、公園で朝ごパン休憩

IKEA立川から5分ほど先にいくと、芝生が青々と広がる「緑町北公園」があります。小腹がすいたので、先程駅で買ったスコーンを朝ごパンにいただきます。お店で食べるのも好きですが、自然の音を聴きながらのピクニックも大好きです。

プレーンとココアの「マーブルスコーン」。冷めていてもふんわりなのは「キィニョンスコーン」の魅力のひとつ。ミルキーなスコーンにチョコチップがザクッとして、優しい味に包まれます。

鹿児島県種子島産の「安納芋バター」。ぽってりまんまるで、ふわっとした生地の中には、ねっとりした安納芋餡が入って、塩気があるバターが効いて良い塩梅です。

自宅で頂いた「十勝の粒あんパン」は、玄米のモチモチ生地に、水分少なめのサラリとしたこしあんがお上品な味わいでした。

9:40頃到着、「ららぽーと立川立飛」でウィンドウショッピング(0円)

元気復活!先へ進みます!

高架下を歩く楽しみは、モノレールが頭上を走っていくところ。通り過ぎるたび、子どもみたいに心踊ります!

先程の公園から10分ほど歩くと、多摩モノレール「立飛駅」直結の「ららぽーと立川立飛」に到着です。10時の開店まで少し時間があるので、ららぽーとの周りを1周してみることに。

裏手に回り込むと、立体駐車場になっていて、ここで思いがけない自然と出会いました!

5階建ての立体駐車場は緑のカーテンで覆われて、地上は立派な木々の並木道が続いています。

まだ少し霧がかった午前中。曇り空の少し水分を含んだ空気と木々の緑一色に包まれて、森のような大自然っぷり。1日の中の貴重な一瞬、この空間はパワースポット化したかのよう。朝の時間帯は車も人もまばらで、新緑の良き散歩道を見つけました。

10時の開店後、ららぽーと店内をウィンドウショッピング。お店もレストランも多くて、お昼をここで済ませるのもありですね。

11:00すぎ、「GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)」をぶらり散策(0円)

ららぽーと立川立飛から30分もかからず「グリーンスプリングス」に戻ってきました!

「空と大地と人がつながる、ウェルビーイングタウン」をコンセプトに、花と緑がある中庭があって、どこにいても緑が視界に入ってきます。実は、パブリックアートな街である立川。施設には大人から子どもまで楽しめる美術館や、多摩地区のクリエイティブな企業や作家さんのショップが入っていたり、

1階にはエマニュエル・ムホーさんの作品「mirai」、

2階には中村哲也さんの作品「上昇輝龍」、このほかにもアート作品が展示され、

噴水では色鮮やかに水が踊り、中庭の緑のように、アートが身近に存在しています。

(※美術館は別途チケット入場料が必要です)

多摩地区最大の2,500席規模のホール「立川ステージガーデン」の屋外には、4階まで一気に続く長さ120mの階段が空へと続いています。これは行くしかない!

なだらかな階段ですが、なかなかの運動量です!昇りきると眼下には立川の街並みと、さっきまで地上から見上げていたモノレールを上から眺めて、ちょっとした登山気分。

屋上のスカイデッキからはお隣の「国営昭和記念公園」を一望。広大で、眺めているだけで気持ちが解放されます。

こんなに緑一面なのに公園のほんの一部です!

国営昭和記念公園は、コスモスなど季節の花々が美しく咲いて、緑はどこまでも続いて、天気が良かったら1日飽きない公園です。

11:30、お花のカフェで少し休憩(308円)

グリーンスプリングスには、1階2階を中心に、コワーキングエリアもあるカフェ、日本料理店、ベーカリー、フレンチ、カレー、おそば、ラーメンなど、今話題のカフェ・レストランやショップが17店舗も集結しています。「COMING SOON」と表示されたテナントもあるので、これからもお店が増えるみたいですね。

その中で、2階にある日比谷花壇の新業態カフェ「FLOWERS BAKE&ICE; CREAM(フラワーズ ベイク&アイスクリーム)」をのぞいてみました。こちらでは、花束のようにカラフルな料理やスイーツを、お花に囲まれていただけて、フラワーワークショップも開いています。

特に気になるのは、お花の鉢をイメージした「キューブブレッド」(280円〜)。たまごサンド、チョコバナナカスタード、イタリアンカプレーゼなどカラフルでかわいらしい。

おやつに選んだのは「あんこバター」。温かくほわほわで、バターがジュワッと染み込んでいます。各テーブルからは外を眺められ、ピンクの内装やお花と緑に囲まれて、癒やし効果にあふれていました。

12:00 「PAPER MOON(ペーパームーン)」でスイーツタイム(825円)

ランチよりも、ついついスイーツに目がいってしまいますね。続いて気になったのは、同じく2階の「PAPER MOON(ペーパームーン)」。

1985年開業のケーキ屋さんで、富士山のふもと、標高1,000mの山中湖に本店があり、立川が2号店とのこと。本店とともに10歳以下のお子様のご入店はお断りされている、大人が楽しむためのカフェ。

本店に通う常連さんに人気なのが「アップルパイ」と「パンプキンプディング」。ほかにも「レモンカスタードパイ」「クリームチーズパイ」など、パイだけでも選り取り見取り。見た目もオシャレな「ストロベリーショートケーキチョコレートがけ」や「アプリコットチーズケーキ」「季節のタルト」など、どれもこれも1カットが大きめで美しい・・・(600円〜)。

笑顔が素敵なお店の方が丁寧にケーキの説明をしてくださって、ますます魅力を増してゆきます。悩みに悩み、結局「ティラミス」をいただきました。

ティラミスを囲むように、エスプレッソと生クリームのソースが添えられて、その様子は湖畔に浮かぶ舟のよう・・・。ココアとエスプレッソの異なる苦味、マスカルポーネチーズクリームと生クリームの異なる甘味。「時間よ止まれ」と願ってゆっくり味わいたくなるほどの繊細な味の変化。

落ち着いた店内からはガラス一面の窓越しに緑の中庭が見えて、至福のスイーツタイムを過ごせます。

今回注文していませんが、オリジナルブレンドコーヒーや、茶葉からこだわる紅茶などドリンクも豊富。ケーキはテイクアウトもできますが、カフェでは、アップルパイにはバニラアイスを添えて、パンプキンプディングにもソースを添えたりと、カフェならではのケーキの美を目で舌で堪能できます。

13:00、最後に「諏訪神社」へご挨拶と「諏訪の森公園」へ寄り道(お気持ちお賽銭)

一旦立川駅に戻って、最後に「諏訪神社」の参拝に、立川駅南口から出発です。

10分くらいで到着した「諏訪神社」。立川ご鎮座1200年と歴史は長く、参道に入ると緑の木々と社殿の木の香りがふわりと包み込んでくれました。境内はスコーンと抜けるような空気感で、曇空の下でもキラキラと輝く彫刻も素晴らしい。立川散歩の締めくくりの参拝をいたしました。

神社の裏手には「諏訪の森公園」。またしても緑に惹かれてついつい寄り道。ここも広くて緑が深く、参拝後の森林浴にもオススメです。朝参拝してから立川散歩をしてもいいですね。

13:00延長!「Pistache(ピスターシュ)」でお菓子のおみやげ(500円)

さあ帰ろうと諏訪通りから駅方面へ向かっていると思いきや、道に迷っていました。地図上で見ると、たいした距離ではないけれど、初めての地ではドキドキしますね!「立川南通り」という道路標識を見ながら歩くと、小さなお菓子屋さんを発見。

焼き菓子店「ピスターシュ」です。迷子になった森で見つけたお菓子の家みたいにうれしいこの感覚。思わず扉を開けてみました。

若くてかわいらしいお店の方がお一人で作っていらして、ちっちゃな店内には、それはそれはたくさんの焼き菓子が並んでいました。クッキーだけでも、チョコ、チーズ、ココナッツ、レーズン、シナモンなどなど種類豊富!フィナンシェやパンもありました。

1個1個、丁寧に袋に入れてあり、手描きのプレートや店内の内装まで手作り感にあふれ、お菓子への愛が伝わってきます。

「ピスタチオクッキー」「スノーボール」「ココアボール」を散歩のおみやげに。

ちなみに、こちらが「ピスタチオクッキー」。ピスタチオペーストの淡い緑色のクッキーはサクサクで、砕いたピスタチオの風味が香ばしくもマイルドな味わい。

「スノーボール」はホロホロと甘く。冬の到来が待ち遠しくなります。

ザクホロ食感の「ココアボール」。チョコチップをアクセントに、苦くて優しい大人味。

思いがず出会ったのは、1粒食べるごとにホッとして、温かな気持ちになって、地域の方に愛されるお菓子屋さん。HPもネット販売もないので、ぜひ直接足を運んでみてください。

14:00頃、駅ナカを少し物色して散歩終了

駅は人が多くなってきたので、混雑する前に電車にのって立川散歩は終了です。

交通費も引いて残金は2,172円。「グリーンスプリングス」の美術館(入場料1,500円)や、「国営昭和記念公園」(入園料450円/入園無料日あり)に立ち寄っても予算的には足りるという結果。HPで入園無料日をチェックして行ってもいいですね。

街中どこを歩いても緑がすぐそばにいてくれて、おいしいスイーツに癒やされた立川。街・人・アートが緑に溶け込み、人の感覚を刺激して、未来へつながっていて、これから先もますます楽しみな街でした。

時に迷うからこそ、予期せぬことと出会えるのが地図なし散歩の醍醐味ですね!緑が呼ぶ方へ気の向くまま歩いて、曇り空でも晴れ晴れとした立川の散歩でした。

立川駅

住所:東京都立川市曙町2丁目

エキュート立川HP:https://www.ecute.jp/tachikawa

グリーンスプリングス

住所:東京都立川市緑町3−1

HP:https://greensprings.jp/

焼き菓子店「Pistache(ピスターシュ)」

住所:東京都立川市柴崎町2-7-7ヴエナビスタ柴崎 1F-B

電話:042-526-7466

営業時間:10:00~18:00

定休日:水曜

(*営業時間・定休日は変更の場合もあり。ご来店前に店舗にご確認ください。)

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