全部わかるバッカン!【種類や選び方、おすすめのカラーまで!!】

釣種の垣根を超えて使われているアイテムがバッカン。撒きエサ入れとして使う以外にも、大容量を活かして雨具やタックルの収納に使ったり、魚を入れるライブウェルとしても使われています。この記事ではバッカンの基礎知識と選び方を紹介します。ベストなバッカンを見つければ、効率の良い実釣で釣果がバカンッとアップするはずです!!

バッカンは「撒きエサ入れからタックルケースまで」多彩に使える収納ボックス!

バッカンとはスーパーの買い物カゴのような直方体で、主にファスナーで開閉するフタ付きのケースです。素材はEVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)が主流。軽量で柔軟性があり、耐久性が高く、水に強い。しかも無公害の釣りにはうってつけの素材です。

ただし、EVA製の折りたたみ式バケツを水汲みバッカンとも呼び、ひと口にバッカンと言っても形状やサイズ、種類は数え切れないほどあります。

多種多様なバッカンがあるのは、用途が多岐にわたるから。フカセ釣りでは撒きエサをイン。活魚を入れる活かしバッカンもあります。そして防水性の高さから釣り場ではタックルケースとして。家ではタックルを保管するコンテナとしても活用され、様々なタイプのバッカンが開発されています。

そこで今回は一般的なバッカンだけでなく、EVA製の本体にハードタイプのフタを備えたタックルケースも含めて紹介。用途に合わせてタイプを決め、適切なサイズを選べば、アナタにぴったりのバッカンが見つかるはずです。

バッカンには主に3タイプが存在!

バッカンの主なタイプは3つ。比較的安価かつ折りたたみが可能な「スタンダードバッカン」、EVA素材を厚くして型崩れしにくい「ハードバッカン」、釣った魚や泳がせ釣りの活きエサを何を入れる「ライブウェル」です。

また、バッカンのフタはファスナーで開閉するタイプが主流ですが、例えばルアー釣りで頻繁にルアー交換をするようなフタの開け閉めが多い釣りは、バックルロック式がおすすめです。どこでどう使うかを考慮して選びましょう!

ファスナータイプのバッカンは頻繁な開閉には向かないため、タックルケースとして使うならバックル式がおすすめ。

安価でコンパクトに折り畳める「スタンダードバッカン」

EVAの厚みを抑え、折りたたんでコンパクトに収納できるタイプが多いです。実勢価格もノーブランドで1000円台~と手頃なのもこのタイプです。

適度に軟らかいEVA素材を使用したスタンダートタイプのバッカン。
コンパクトに折りたたむことができる。

シンプルな構造で丸洗いしやすく、コマセ入れや、水を張って獲物の血抜きにも使用可能。もちろんタックルケースとしても使え、水や汚れに強いから、磯や船上で波しぶきを浴びても安心。ただし、重いものを入れると変形したり、積み重ねによって潰れることもあるので注意しましょう。

ベーシックだが便利機能満載!【イソバッカン(ダイワ)】

ダイワのオーソドックスなバッカン。持ち手のハンドルは側面で固定できるほか、タオルやちょっとしたものを掛けておくのに便利なミニハンガーも付属しています。名前は「イソバッカン」ですがタックルやウェーダーなどを収納するのにも便利です。

シマノのバッカンシリーズ基本形【バッカンEV(シマノ)】

ライブウェルタイプの「フィッシュバッカン」やハードタイプの「バッカンEX」などを展開するシマノ製バッカンの基本形態です。ハンドルは折り畳めるようになっており、他のバッカンにインしてまとめる際にも有用です。

キズに強くて自立する「セミハード~ハードバッカン」

EVAを厚手にして型くずれしにくく、カチッと自立するタイプ。フカセ釣りでは、撒きエサが断然混ぜやすくなります。角を丸くして、エサが少なくなってもヒシャクですくいやすい構造を採用するものもあります。防水性が高く、つぶれにくいのでタックルや雨具類の収納にも便利です。

ハイコスパな多機能バッカン【EVAロッドホルダー付きライトタックルバッグ(REAL METHOD)】

「釣具のポイント」のプライベートブランド「リアルメソッド」から販売しているセミハードタイプのバッカンです。PBならではのコストパフォーマンスの高さに加え、ロッドホルダーやインナートレイ、ショルダーベルト等を備えて携帯性もバツグン。釣り場まで持っていくのに最適です。

ロッドホルダー3本搭載! 複数本の使い分けに【タックルキャリアー(第一精工)】

第一精工から発売中のミドルサイズのバッカンです。3本備えたロッドホルダーは家族や友人との釣行にもピッタリ。バスやトラウトなど何本かのロッドを使い分けたい釣りや、ギャフやタモなどの収納にも適しています。アシストアームも装備しており、険しい磯場や岩場に置いても安定感があります。

サカナを活かして保存!「ライブウェル(活かしバッカン)」

バッカンには磯釣りなどで使われる魚を活かしてキープするための「ライブウェル」としての側面もあります。このタイプはフタの構造にひと工夫。たるみを持たせた内ブタを装備するなど、各社魚がスルッとスムーズに入る構造を採用しています。

釣った魚を観察するための小型バケツ状のものや、トーナメントなどでキーパーサイズを活かしておく大型のものなど種別は多様です。空気を送るエアレーション取り付け部を備えたタイプもあります。

釣った魚をキープしたり、泳がせ釣りに使う魚を活かしておくのに使うのがライブウェルタイプのバッカン。

多くは中が見やすいように部分的にメッシュ生地を使い、移動時は外ブタを閉めれば、水がこぼれにくい構造になっています。

コンパクトに折り畳める堅牢な網フタバケツ【活かし水くみ M-CM(ダイワ)】

EVA素材の中にステンレスフレームが組み込まれているほか、岩場やカキ殻などに擦れやすいボトム部も補強されており、高い耐久性を誇ります。ファスナーを閉めて水中に沈めればビクとして機能させることもできるので、保存性も高くなっています。

シマノの最上位ライブウェル【フィッシュバッカン FIRE BLOOD(シマノ)】

「リミテッド」の名を冠されたシマノの最上級のバッカン。釣った魚を入れやすい2重のフタ構造を採用しているほか、エアポンプを収納するポンプポケットを2つ備えています。上フタには計測用のメジャーがデザイン、ロッドホルダーも2つ搭載しており、最上位機種の名に恥じない非常に多機能バッカンです。

バッカン選びはカラーに注意! 炎天下に放置すると…?

バッカンは、用途と容量で選ぶのが基本中の基本です。あとは予算と相談。価格と機能が同等なら好みのデザインや好きなブランドを選べば、釣行がより楽しくなるはずです。ただし、一考しておきたいのがカラーです。

カラーは、黒などダーク系のほうが汚れが目立ちません。ただし、暗色系は光の吸収率が高く、例えば炎天下の磯、サーフ、堤防など日陰のない釣り場に長時間持ち出すと、強い日差しを受けて高温で蓄熱します。薄いEVAのものほどその影響は受けやすく、食料や飲み物の収納はもってのほか。

当然、撒きエサも腐りやすくなり、リールの故障や釣り具の劣化の原因にもなりかねません。海釣りで使うクーラーボックスに白が多いのも庫内の温度上昇を防ぐためです。

黒は汚れが目立たない代わりに太陽光で蓄熱しやすい。白はその逆、一長一短と言えるだろう。

アジングなどのナイトゲームや室内でのストック用。あるいは走行中の車内でウェーダーなどの濡れ物を一時保管する場合は、濃い色のバッカンでも問題ありません。しかし日中に長時間釣りをすることが多いなら、ホワイトやライトグレーなど光の反射率の高い薄い色の選択も検討しましょう。擦れ汚れは目立ちますが、それも愛着のあるタックルの味ということで。

バッカンとは何か? 名称の由来は、旧日本海軍などが配食で使っていた手提げ式の金属製容器『飯缶』に形が似ているため、という説が有力です。

関連記事はこちら

© 株式会社 内外出版社