「左馬」「鯖」「佐波」… 社号違うなぜ? サバ神社の謎に迫る 大和

境川沿いに点在する「サバ神社」を紹介する特別コーナー=大和市立つる舞の里歴史資料館

 境川沿いに11社が点在する「サバ神社」の謎に迫る特別コーナーが、神奈川県大和市つきみ野7丁目の市立つる舞の里歴史資料館に設けられている。11社の主祭神や代表的風習などを写真パネルや資料で紹介している。11月23日までで、入場無料。

 サバ神社は、横浜市との市境を流れる境川沿いの南北約10キロ、東西約3キロにある11社の総称。社号はそれぞれ「左馬」「鯖」「佐波」などと異なるが、いずれも鎌倉幕府を開いた源頼朝の父で左馬頭の義朝をまつっているとされる。社号が違う理由や境川中流域に集中している理由などは不明で、由来も定まっていないという。

 特別コーナーでは、大和市の上和田と下和田にある左馬神社、横浜市瀬谷区の左馬社、同市泉区の佐婆神社、藤沢市湘南台の鯖神社など、それぞれの主祭神や創建時期などを写真パネルで説明、分布状況が分かるように所在地を周辺地図に落とした。

 またサバ神社にまつわる代表的風習として、1日で7カ所を巡る行事「七サバ参り」を紹介。大正時代まで、農閑期に地域住民が風呂敷を背負い、子どもをほうそう(天然痘)や疫病から守るために祈願した際の資料も展示している。

 同館の担当者は「サバ神社に関する記述は江戸期の文書に見られる程度で、由来など謎は多い。関心を持って訪ね歩く市民も少なくなく、特別コーナーを設けた」と説明している。

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