パラダイスGoGo!! 乙女塾出身 “CoCo” 80年代最後に芽吹いた5人の少女たち 1989年 9月6日 CoCoのデビューシングル「EQUALロマンス」がリリースされた日

フジテレビ「パラダイスGoGo!!」乙女塾から “CoCo” デビュー!

1989年。年号が昭和から平成に変わり1990年代に突入しバブル経済が崩壊する日本において、歌番組の激減や賞レースが縮小、そしてバンドブームの隆盛もアイドルポップスの世界に大きな影を落としていました。

そんな中、“おニャン子ブームの再来” を考えたフジテレビが夕方の帯番組『パラダイスGoGo!!』(以下、パラGo!!)をスタートさせました。

『パラGo!!』の乙女塾という歌手や女優を目指す、まさしく塾で勉強するメンバーの中からグループデビューしたのがCoCoでした。

メンバーは、羽田恵梨香、宮前真樹、大野幹代、三浦理恵子、瀬能あづさ

実は私が住んでる関西では「パラGo!!」はネットされず、どんな番組で、どういう経緯で5人がCoCoとして選ばれたのか私は知りません。

それでも、毎週買っていた『オリコン・ウィークリー』の広告の5人が初々しく、当時の私は透明の下敷きに挟んで授業を受けていたほど気に入っていました。

■ インタビューでしっかり受け応えする羽田恵梨香
■ 唯一のショートカットで笑顔がキュートな宮前真樹
■ メンバー最年少ながら歌い出しなどキーポイントのヴォーカルを勤める大野幹代
■ 特徴的な声を武器に歌に目覚めていった三浦理恵子
■ 確固たる歌唱力でCoCoの楽曲の柱となった瀬能あづさ

…といった、それぞれ全く異なった声とキャラクター。それがCoCoでした。

デビューシングルは「EQUALロマンス」

彼女たちのデビュー曲「EQUALロマンス」は、アニメ『らんま1/2』のエンディングテーマということもあり、オリコンチャートで7位という好成績を残しました。

「EQUALロマンス」は、ソロパートがほとんど無く、2人または3人で歌唱。それでもとにかく “可愛らしさ” と “初々しさ” を感じるデビュー曲です。

一方、カップリング「乙女のリハーサル」には5人それぞれのソロパートがあり、歌声に個性があって誰が歌っているかすぐにわかります。

こうしてCoCoは5人の少女たちのキラキラとした輝きからスタートしました。

CoCoが支持された理由は、楽曲の質の良さ?

ただ「パラGO!!」の番組自体は『夕やけニャンニャン』ほど全国各地へネットされませんでした。ですが、歌番組も減少するなかで彼女たちCoCoが支持された理由は、楽曲の質の良さだったと思っています。

まず、作詞は及川眠子が多く手掛けています。その歌詞には少女の恋心や悩みはもちろん、当時の湾岸戦争などの世相をテーマにするなど、その時、その瞬間を生きる私たちに向けたリアルなメッセージに共感したのではないでしょうか。

そして楽曲では、山口美央子や小室哲哉、音楽キャリアをCoCoへの楽曲提供でデビューした亀田誠治、都志見隆の名前が挙げられるでしょう。都志見隆は、4枚目のシングル「ささやかな誘惑」(1990年)で作曲を担当、それをCoCoの5人が等身大の女の子の胸の内を歌い上げました。その結果、オリコンチャートで最高3位の実績を上げ、着実にファンを増やしました。

昭和から平成へ時代が変わり、アイドルポップスから離れた方々に、是非CoCoの歌を聴きなおして欲しいです。再結成は難しそうですが、いつか「EQUALロマンス」の歌い出しの「♪ ダーリン!」をまた一緒に歌ってみたいなぁ… と思いながら。

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カタリベ: 林ともひと@muzikrecord

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