北朝鮮が異例の夜間軍事パレード、大陸間弾道ミサイルも披露

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北朝鮮が10日未明、朝鮮労働党75周年を祝う軍事パレードを行い、最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン)委員長も出席した。夜間の軍事パレード開催は異例。

北朝鮮は通常、新型ミサイルなどの兵器を世界に示す目的でパレードを行う。専門家によると、10日のパレードでは大陸間弾道ミサイル(ICBM)が展示されていた。

北朝鮮による軍事パレードは2年ぶり。アメリカ大統領選まで数週間というタイミングでの実施となった。

パレードにICBMが登場したのは、2018年に金委員長とドナルド・トランプ大統領が歴史的な会談を行って以来、初めてだという。

韓国軍によると、このパレードは10日の夜明け前に始まった。なぜこの時間帯になったのかは、らかになっていない。

外国メディアや外国人は参加が禁止された。そのため専門家らは、北朝鮮の国営メディアが放送した編集済の映像から、今回のパレードを分析している。

映像では、金委員長はグレーの洋風スーツを着ており、子どもから花束を受け取っていた。

金氏は演説で、北朝鮮は引き続き「自衛と抑止」のために軍事力を「強化」していくと語った。

また、国内では新型コロナウイルスの感染者が1人も出ていないことを嬉しく思うと発言。「悪質なウイルスと戦う世界中の人々の健康を願っている」と述べた。

国内に感染者は出ていないと主張する一方、金委員長は高官会議を開き続け、国内に厳しい感染対策を敷いている。

北朝鮮の感染者がゼロだという可能性は極めて低いと、複数の専門家がみている。

10日のパレード映像では、マスクを着用している人の姿は見られなかった。しかしAFP通信は、通常のパレードよりも関係者が少ないと指摘している。

北朝鮮は1月、中国からの新型ウイルス流入を防ぐために国境を封鎖した。

当局は国境に緩衝地帯を設けて入国者を阻んでおり、「見つけ次第射殺」という指令が出ていると報じられている。

韓国国防省は9月、海洋水産省の男性職員(47)が南北軍事境界線近くの延坪島沖で行方不明になった後、北朝鮮側の海域で北朝鮮の兵士に発見されて射殺されたと発表した。これについて、金委員長は文在寅(ムン・ジェイン)大統領に宛てた書簡で異例の謝罪を行っている。

今回のパレードをめぐっては、数週間前から数千人が訓練している様子が人工衛星写真で確認されていた。

一方、首都平壌にいる外国高官らにはこの日、市内を出歩いたり、パレード会場の近くで写真を撮ったりしないよう通達が出ていた。


<解説>懸念の種に ――アリスター・コールマン、BBCモニタリング

金正恩朝鮮労働党委員長は、演説の最後を「偉大な人民万歳!」と叫んで締めくくったものの、その一方で、北朝鮮が経済的に困窮していると認めた。

しかし、国営テレビの映像では、金日成広場に兵器がずらりと並んでいる。北朝鮮軍が金に糸目をつけていないことは明らかだ。

とことん演出されたこのパレードをインターネットで見ていた専門家たちも、兵士が最新の自動小銃などを持ち、新しい防空システムや装甲車のようなものが登場したことに気付いただろう。

しかし、各国政府にとっては、新しい弾道ミサイルの登場が何より気がかりな材料となるだろう。

最初に登場したのは潜水艦発射型の「北極星4A」。それから大型ICBMが、巨大な11基の車軸に支えられた発射台と共に登場した。このICBMはあまりに新しく、名前はまだ知られていない。

北朝鮮は昨年ごろから、核開発に力を入れると主張を繰り返してきた。10日のパレードにICBMを登場させたのは、この主張を補強するのが狙いだったはずだ。朝鮮半島の平和や外交の今後にこれがどう作用するのか、まだ誰にも分からない。


(英語記事 North Korea holds military parade with missiles