スーパー耐久SUGO:1周目のスピンを物ともせずPorsche Center Okazaki GT3Rが今季初優勝

 10月11日、ピレリスーパー耐久シリーズ2020第2戦『SUGOスーパー耐久3時間レース』のGr-1決勝レースが、スポーツランドSUGOで行われ、ST-XクラスはPorsche Center Okazaki GT3R(永井宏明/上村優太)が今季初優勝を獲得した。

 前日の公式予選が激しい降雨により中止となったGr-1。決勝レースのグリッドは前戦富士24時間レースの決勝結果に基づいて決定され、ポールポジションはST-Xクラスの888号車 HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3が獲得。手元の計測で気温は16度と、肌寒く小雨が降るウエットコンデイションのなか13時にレースはスタートした。

 ホールショットはHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3の高木真一が守ったが、スタートで勢いをみせたのは5番グリッドスタートのPorsche Center Okazaki GT3Rの上村優太だった。1コーナーで3番手に浮上すると3コーナーでDENSO LEXUS RC F GT3の小高一斗をかわし、2番手に。

 上村はさらにトップの高木にレインボーコーナーでオーバーテイクを仕掛けるも、2台はわずかに接触。滑りやすい路面で上村はスピンを喫し、総合11番手まで順位を落としてしまうが、ハイペースで追い上げにかかると5周目にはST-Zクラスを全車かわして、ST-Xクラス最後尾の総合5番手までポジションを戻した。

 トップのHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3高木と2番手D’station Vantage GT3藤井誠暢のトップ争いは序盤こそ4.5秒のギャップが広がるが、雨脚が弱まると藤井がペースアップし高木背後に急接近する。2台はお互いにベストラップを更新しつつ周回を重ねていく。
 
 22周目に差し掛かかると総合3位争いも加熱する。DENSO LEXUS RC F GT3の小高に対し、MP Racing GT-Rの柴田優作、Porsche Center Okazaki GT3Rの上村が迫り、0.8秒内を3台が走る接近戦が展開された。

 39周目に急に雨脚が強まり、トップのHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3の高木が110Rコーナー入り口でコースオフしてしまう。7秒ほどタイムを失い、D’station Vantage GT3の藤井にかわされて2番手に後退する。

 これでトップに立ったD’station Vantage GT3は43周目にピットイン。藤井から星野敏へドライバー交替を済ませるもタイヤは無交換。同一周回でHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3もピットイン。山脇大輔へとドライバー交替を済ませ、こちらはタイヤ交換を実施した。

 上位3台はAドライバーが第2スティント務めるなか、DENSO LEXUS RC F GT3は嵯峨宏紀、MP Racing GT-Rは影山正美が第2スティントを務めた。MP Racing GT-Rの影山は65周目の最終コーナーでPorsche Center Okazaki GT3Rの永井宏明をかわすとトップに浮上。翌周の1コーナーではDENSO LEXUS RC F GT3の嵯峨も永井をかわして2番手に浮上した。

 68周目、ST-Xクラスのなかで最初に二度目のピットに入ったのはPorsche Center Okazaki GT3Rの永井。給油とタイヤ交換を済ませると第1スティントを務めた上村がふたたびステアリングを握る。

 そんななか、星野のD’station Vantage GT3がスローダウンしながらピットへ戻り、ガレージにクルマを収めてしまう。バックマーカーとの接触で右フロントにダメージを受けたためで、修復を終えるとコースへ復帰。しかし、優勝戦線からは離脱を余儀なくされた。

 73周目にHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3が二度目のピットイン。第3スティント担当のショウン・トンにドライバー交代を済ませるも、Porsche Center Okazaki GT3Rの上村に先行を許し、総合4番手でコースに復帰した。

 早めのタイミングでピットを終えていたPorsche Center Okazaki GT3Rは温まりきったタイヤでハイペースで周回を重ね、首位をキープするなか、77周目にHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3のトンが2番手にポジションを上げると優勝争いは2台によって争われることに。

 77周目に首位の上村と2番手トンのギャップは約15秒。トンがギャップを縮めるのか、上村が首位を守りきれるのか注目が集まったが、上村が108周のチェッカーまでギャップを保ち続けることに成功。今季初参戦のポルシェ911 GT3Rが大雨の難しいコンディションとなった第2戦を制した。

 ST-ZクラスはENDLESS AMG GT(内田優大/山内英輝/高橋翼)が第1戦に続く連勝を決めた。クラス2位には、終盤松本武士の追い上げでトップに対し10秒差まで追い上げをみせたBRP★SUNRISE-Blvd718GT4MR(福田幸平/松本武士/塩津佑介/奥村浩一)。3位に7番グリッドスタートのケーズフロンティア SYNTIUM KTM(飯田太陽/加藤寛規/高橋一穂)が、4位にD’station Vantage GT4(星野辰也/織戸学/篠原拓朗/浜健二)が入った。

 ST-TCRクラスは今回唯一のシビック勢となったF・Link Home CIVIC TCR(植松忠雄/井出有治/川端伸太朗)が2番グリッドスタートから初優勝を果たしている。

 ST-1クラスは1台のみのエントリーのなか、ROOKIE Racing GR SUPRA(蒲生尚弥/豊田大輔/小倉康宏/河野駿佑)が無事完走を果たした。

 ST-2クラスはDAMD MOTUL ED WRX STI(大澤学/後藤比東至/石坂瑞基)が今季初優勝。2位に新菱オート☆NeoGlobe☆DXLエボX(冨桝朋広/菊池靖/大橋正澄)、3位には第1戦で圧倒的な強さをみせたROOKIE Racing GR YARIS(井口卓人/佐々木雅弘/MORIZO)が入った。

 ST-3クラスはエアーバスター WINMAX RC 350 TWS(大島和也/冨林勇佑/石井宏尚)が初優勝、総合でもST-1、ST-2を上回る13位でチェッカーを受けている。

 ピレリスーパー耐久シリーズ2020、次戦となる第3戦『スーパー耐久in岡山』は10月31日〜11月1日に岡山県美作市の岡山国際サーキットで開催される。

SUGOスーパー耐久3時間レースのGr-1決勝 スタートシーン
39周目までトップを守ったHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3の高木真一
序盤のST-Xクラス3番手争い
ROOKIE Racing GR YARISとDAMD MOTUL ED WRX STIの2台は序盤からクラス首位を争って接近戦を展開
ST-2クラス優勝のDAMD MOTUL ED WRX STIとST-3クラス優勝のエアーバスター WINMAX RC 350 TWS
SS/YZ Studie BMWとSTP with Studie BMW M4GT4
終盤追い上げも悔しいST-Zクラス2位となったBRP★SUNRISE-Blvd718GT4MRは初表彰台を獲得。
#16 Porsche Center Okazaki GT3R(永井宏明/上村優太)
#3 ENDLESS AMG GT4(内田優大/山内英輝/高橋翼)
#290 F・Link Home CIVIC TCR(植松忠雄/井出有治/川端伸太朗)
#28 ROOKIE Racing GR SUPRA(蒲生尚弥/豊田大輔/小倉康宏/河野駿佑)
#59 DAMD MOTUL ED WRX STI(大澤学/後藤比東至/石坂瑞基)
#39 エアーバスター WINMAX RC 350 TWS(大島和也/冨林勇佑/石井宏尚)
SUGOスーパー耐久3時間レースGr-1決勝 ST-Xクラス表彰台
#16 Porsche Center Okazaki GT3R(永井宏明/上村優太)
SUGOスーパー耐久3時間レースGr-1決勝 ST-Zクラス表彰台
SUGOスーパー耐久3時間レースGr-1決勝 ST-TCRクラス表彰台
SUGOスーパー耐久3時間レースGr-1決勝 ST-1クラス表彰台
SUGOスーパー耐久3時間レースGr-1決勝 ST-2クラス表彰台
SUGOスーパー耐久3時間レースGr-1決勝 ST-3クラス表彰台

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