お粗末な対朝鮮諜報の実態露呈 米韓、朝鮮の閲兵式情報を得られず混乱

 米韓は朝鮮が10日行った、朝鮮労働党創立75周年慶祝閲兵式に登場した新ICBMとみられるミサイルの分析に追われているが、この閲兵式と関連して見落とされている、注目すべき情報がある。

 米韓の軍と情報機関が、10日午前0時にはじまり2時間以上続いた大規模な閲兵式の情報を、10日午後まで12時間以上も得ることができず、お粗末な対朝鮮諜報の実態を露呈したことだ。

 閲兵式が始まった午前0時から12時間が過ぎた10日正午の時点で、いつもなら率先して情報を発する韓国軍も、閲兵式準備情報を流してきた「38ノース」も沈黙を守る中で、複数の韓国政府消息筋が、「北朝鮮がこの日の正午現在まで、閲兵式を開催した動向が把握されていない」と伝えたことが、韓国マスコミで報じられた。これを機に韓国では、“午後におこなわれるのではないか?”または“翌日(11日)に延期されたのではないか?”などの様々な推測情報が乱れ飛んだ。

 このような中で、「聯合ニュース」が「10日、平壌で閲兵式を開催したようだ」と発信したのが、10日14時23分のこと。これは韓国軍の「北朝鮮が同日午前に大規模な軍事パレードを実施したもようだ」との発表を受けたもの。軍発表にもかかわらず韓国では、疑心暗鬼が飛び交い、朝鮮が閲兵式TV報道の予告をするまで続いた。というのも、軍の発表と「聯合ニュース」などの報道が、「実施したもようだ」「開催したようだ」と歯切れが悪かったためとみられる。

 10日正午を前後した、閲兵式開催情報をめぐる混乱は、朝鮮を常に監視していると豪語してきた米韓軍と、ピョンヤンに情報網を構築しているかの如く振舞ってきた米韓情報機関の情報収集の実態が、ピョンヤンの金日成広場で大々的に行われた大規模行事の情報すら知る能力がないことを示している。米軍自慢の軍事衛星も、偵察機も、行事開始から14時間も経過したのちにやっと「実施したもようだ」と分析できる水準なのだろう。

 朝鮮が閲兵式を10日未明の行ったことで、米韓諜報能力のお粗末さを露呈した形だ。

 特に米NEDの資金で朝鮮「悪魔化」キャンペーン行う「NKニュース」はピョンヤンに何らの情報網を持っていないことを自ら暴露した。

 「米国の北朝鮮専門メディア“NKニュース”の運営者は自身のツイッターを通じて『ピョンヤンの消息筋によると、何のパレードも午前には実施されなかったとされている』と伝えた」(WoW!Korea  10/10(土) 12:24配信)という。大々的に行われ、ピョンヤン市民ならだれでも知っていた行事を、「実施されなかった」と伝えた「消息筋」が実在するとは到底信じられない。お笑い種でしかない。

「NKニュース」は韓国、日本の「デイリーNK」と同グループ。去る4月には金正恩委員長の「健康異常説」を流しでっち上げであることが暴露された。

 米韓軍、情報当局、下請けのプロパガンダ機関のピョンヤン情報、「ピョンヤンの消息筋」は信じるに足りない。(了)

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