5年ぶりの地元開催 10月15日から山口井筒屋で萩焼「大和努展」

▲炎虹漆艶彩扁花器

 地元・山口市宮野での作陶生活が35周年を迎えた萩焼作家・大和努さんの個展が、山口井筒屋(山口市中市町1、TEL083-902-1111)5階催場で開かれる。会期は10月15日(木)から19日(月)まで(最終日は午後5時閉場)。山口市内で大和さんの作品が披露されるのは、2015年に同店で開かれた個展以来、5年ぶり。

 大和さんが本格的に陶芸を始めたのは1985年、20歳の時。「大自然の驚異に一番心を動かされる」という大和さんは、作陶を始めたころから自然をテーマに表現することが自分の使命だ、と思っていたという。1989年に日本伝統工芸展に初出品初入選を果たした後、1990年に山口市美術展覧会大賞、1993年大英博物館が買上収蔵、2008年には西日本陶芸美術展「西日本陶芸大賞」など、精力的な作陶活動と数々の賞を受けてきた。

 「前回の個展からの5年間、海外に行き、帰国後は現地での体験を作品で表すことを修行のように繰り返してきた。感性を磨けているのか、皆様からのご意見が一番の糧になるので、ぜひ作品をご覧いただき、ご批評を」と大和さん。

 今回の個展では、花入、陶額、茶わん、香炉、水指など約150点が展示。アメリカのアンテロープキャニオンの地層をモチーフにした「粉引墨流彩」シリーズや、ハンガリーで見た珍しい大気現象「ファイヤーレインボー(環水平アーク)」を表現したい思いから生まれた「炎虹漆艶彩」シリーズなど、「自然」をテーマにした新シリーズも並ぶ。また、場所や空間全体が作品となるインスタレーションでの展示もある。

 なお、会期中、大和さんは在廊する予定。

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